03_体験版 〝すがたをかえる大豆〟 手前みそ編
「おいしくなーれ、おいしくなーれ」
やさしく、激しく味噌団子を丸めている子どもたち。「うちの味噌」の話を聞かせてくれた地域の方々。「初めて味噌をつくりました」という先生。
神山町で食農教育を始めて7年目、ついに自分たちで育てた在来の大豆で味噌をつくる、という一つの夢が叶いました。うれしい光景。今回はその経緯や、3年生の国語科の教材「すがたをかえる大豆」について書いてみようと思います。
今年、味噌づくりをすることになったのは、昨年度子どもたちが育てた「大豆」があったから。
年度も担任の先生も代わるなか「大豆」という生きた教材から学習が続いていくってとても素敵なことだと思います。「子どもたちが育てた大豆だから…(みんなで何かつくりたい)」と先生方がつぶやいていたのが印象的。改めて大豆を前に先生方と相談した結果、味噌づくりにチャレンジすることになりました。保護者でもあるチキータこと織田智佳さんが快くクッキングティーチャーを引き受けてくださったことは、とてもとても心強かった!
大豆を 「育てる、つくる、食べる、つなぐ」
主役は広野小学校の3年生2名、4年生5名、計7名の子どもたちと、担任の立石先生と久保先生。
強力な助っ人として織田さんと永野さん(保護者)、そして大豆の栽培でご協力いただいているファームティーチャーの門田さんに来ていただきました。当日の様子はNPOのInstagramに載せたのでそちらをご覧いただくとして。
小学校で栽培している大豆は、ファームティーチャーの門田さんが毎年種をつないで栽培している在来の大豆です。神山で何十年も栽培されているので、わたしたちは「神山大豆」と呼んでいます。昨年は大豊作だったので学校内で種をつなぐこともできました。
種取りは時間も手間もかかるため離農とともに地域の種が失われているのが現状で、それは神山町だけの話ではありません。子どもたちが今すぐには理解できなくとも、自分たちで大豆を育て、食べ、翌年またその種をまく。その時間の流れを大豆への関わりを通して体感しているといいなと思うのです。
国語科 「すがたをかえる大豆」
恥ずかしながら、わたしが「枝豆と大豆が同じ種類の作物」だと知ったのは社会人になって2年目のときでした。自分の無知さにショックを受けた出来事だったのでよーく覚えています。子ども時代は田畑が遠い存在だったし、農業への興味も関心もまったくありませんでした。農業や山の木々、草花についてよく知る人たちが近くにいたにも関わらず。
「すがたをかえる大豆」は、光村図書の国語科(第3学年)に掲載されています。筆者の国分牧衛(まきえ)さんは子ども向けの執筆に積極的に関わってこられた思いをこんな風に話しています。
すでに秋に収穫する神山大豆がすくすくと育っています。次はどんなことができるでしょう。その時々で子どもたちや先生方が「やってみたい!」と思ったことを近くでサポートできれば、とてもとてもうれしいです。そのための小さな種まきを続けていきます。
<参考>
昨年 2021年度の大豆栽培の様子はこちら。
ちなみに、大豆栽培からの豆腐づくりは2017年度に実現しています(神領小学校)。この子たち、現在は中学2年生。
2019年度には小学生と高校生が一緒に豆腐づくりをしました。こちらは大豆の栽培があまりうまくいかなかったので、隣村のお豆腐職人さんに大豆を分けていただいて実施したプログラムでした。
授業のオープニングで流した「手前みそのうた」
味噌づくりの手順や分量がこの中に全部入っています!