樋口 明日香

「風景の見え方が変わる」体験や話や本が好き。NPO法人まちの食農教育(徳島県神山町) …

樋口 明日香

「風景の見え方が変わる」体験や話や本が好き。NPO法人まちの食農教育(徳島県神山町) https://shokuno-edu.org/

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自己紹介

はじめまして、樋口明日香(ひぐちあすか)です。 徳島市で生まれ育ち、神奈川県で小学校教員として勤めた後、徳島県へUターン。神山町で2016年に立ち上がった農業の会社 Food Hub Project の食育係を経て、現在は NPO法人まちの食農教育 の代表(というのもこそばゆい感じの、代表)。 2010年から通い始めた料理教室、白崎茶会 では、食卓に並ぶものがすべて自分の手で作れるというレシピに出会い、苦手な食べ物を好きになり、好きなものはますます好きになり、手は最高の道

    • 30_海に囲まれた「教育の島」へ

      庭の草木の生存確認が日課になった7月。秋の花コスモスが咲き始め、イチジクの木が仲間入り。青紫蘇とミントがわさわさと茂り、食べ放題飲み放題取り放題。蝉、トンボ、蝶、蜂がやってきて、隣家の田んぼには鷺の群れ。時々カエルの大合唱。相変わらず賑やかな毎日。 「山」に囲まれた場所で食農教育を始めて9年目の今年、ついに「海」に囲まれた島で食を考える機会がやってきた。 大崎上島町へ 大崎上島町は瀬戸内海・芸予諸島のいくつかの島々からなる離島のまちで、2024年7月現在人口6,600人

      • 29_田んぼから生まれる工芸品(わら細工たくぼさんを訪ねて)

        今週は田んぼの草取りweek。昨年は草がほとんど生えてこなかったので不意打ちをくらった感じ。草は伸びる一方で待ってはくれず、日中は暑すぎて動けない。早朝の時間帯しかない!と腹をくくり、1回目は5時過ぎから7時(6時からはすでに暑い)、2回目は5時過ぎから8時半まで作業をして、田んぼ全体の3割ほどの草を取った。得たものは奇妙な達成感(外から見ても変化なし)と、全身筋肉痛と極度の疲労感。草が生えづらい環境をどうやってつくるのか、が来年に向けた課題かな。 地域性 神山町は森林と

        • 28_のびるのびる

          雨を味方に庭の草花はぐんぐん伸びる。紫陽花は毎日色合いを変え、種をまいたばかりのコスモスはほんの数日で庭の景色を変えた。庭も、仕事も賑やかでした、6月。 歌声 ベストオブ6月は高校生との歌レッスン。エアコンのない体育館で、ピアノの音も歌声もかき消される巨大扇風機の羽音のなかノリノリで校歌を歌う16歳。流行りの曲じゃなくて、校歌。ワンフレーズごとにわたしが歌い、耳コピして声を出し、というのを繰り返して徐々に歌えるようになっていく。音程の正確さはあまり気にしない。それよりも子

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          27_人が入れ替わりながら場は続いてく

          木陰での昼寝が気持ち良い季節。町役場の幹部への活動報告から始まり、NPOの総会、小学校と高校の授業やイベントも続いて長い5月だった。 高専の給食に立ち上げから関わっていた料理スタッフが任期を終えた。いつ来るかわからないお客さんのことを考えながら料理をするレストランと違い、給食は食数と顔ぶれが毎日決まっているのがいいと彼女はいう。料理人が働く給食調理現場。改めてじっくり話を聞いてみたい。 まちの食農教育プログラムもち米づくり 町内の小学校2校の5年生合同のもち米づくりが始

          27_人が入れ替わりながら場は続いてく

          26_「感覚」と「感情」の取り扱い

          遠野のクイーンズメドウ・カントリーハウスで開かれた「かかわり方の学び方 馬と、鳥羽和久さんと」に参加した。岩手県には何度か訪れているけれど遠野は初めて。情報量が多くて濃い4日間。今もまだ体内で言葉が踊ってる感じがある。 今回の滞在プログラムの主催は西村佳哲さん。わたしが神山で仕事を始めてからの数年間は楽しくも苦しい時代だったけれど、西村さんは今につながる道を照らし続けてくださった方。改めて、西村さんの主催する場を体感したかった。ノンバーバルなコミュニケーションに関心が高まっ

          26_「感覚」と「感情」の取り扱い

          25_わたしの言葉を〝みんなの言葉〟にしていく道のり

          新年度が始まって1ヶ月。 今年度の先生方との顔合わせは広野小学校から始まった。神領小学校は今年度から地域関係者との座談会を開催するはこび(5月初旬)。 高校の社会人講師は継続。まめのくぼへ行き、着任された先生方と一緒におにぎりと味噌汁(生徒が開発したオリジナルソーセージ入り)を食べた。なんてよい時間。 変わり続ける景色 まめのくぼで2019年から栽培している「神山小麦」は、栽培エリアを少しずつ広げている。昨年度は生物多様性活動認証(県内の高校では初)を取得し、今年度は有機

          25_わたしの言葉を〝みんなの言葉〟にしていく道のり

          24_歩み続けられる根拠を探す

          2023年度が終わらないんじゃないかと思っても、ちゃんと3月31日はやってくるしあと数時間で4月1日になってしまう。 今日は神山まるごと高専の入学式。わたしは同級生と再会。お子さんが高専に入学されたとか! おめでとうおめでとう。 そして、なんだかうれしい気持ちが続いているのは昨日完成したこちらのショートムービー(下リンク🔗)の余韻。 制作は「雨を聴く株式会社」の川口泰吾さん。10月以降、様々な活動の様子を撮りためてくださって、素敵なムービーにまとめてくださいました!とてもう

          24_歩み続けられる根拠を探す

          23_子どもたちが真ん中にいる風景

          神山町の「まちを将来世代につなぐプロジェクト」(通称:つなプロ)の報告会が大阪で開催された。登壇された方々やスタッフらと普段できない話をたっぷりできたのが何より良かった大阪の夜。乾杯! いつも方向性を迷ったときに立ち返る、神山町の創生戦略「みなさんへ」のパート。何度も何度も読み返してる。 そういえば、城西高校の校歌にも「次の世代へ 次の世代へ」って歌詞が入ってたなー。 今週は10代の人たちとの関わりが多くて、なんだかもうたまらんな…という気持ち。 神山小麦でつくる神山

          23_子どもたちが真ん中にいる風景

          22_時間をかけて起こるものごとを、楽しみにしていたい

          軽井沢へ。 林さん(NPO理事)の秘密基地を案内してもらい、その翌日は軽井沢風越学園へ。土地勘がない上に行き当たりばったりでスケジュールを組んでしまい、軽井沢・松本間を2往復することになった。土地勘のある人なら「ありえない!」行程らしい。 軽井沢風越学園の訪問日は大雪。飛行機は欠航。でも運よく馬搬を見ることができた。駐車場では保護者の方々が何人も出て雪かきをしてくださっていた。タイヤがほぼ埋まるくらいの雪が数時間で降ってくるとは。雪のかけらもなかった前日からの景色の変わりよ

          22_時間をかけて起こるものごとを、楽しみにしていたい

          21_一人ひとりが、一匹、一羽、一頭が大切にされている場所

          長野県伊那市立伊那小学校の公開学習指導研究会へ。10年前に参加した時は「個」と「全体」のバランス、学級経営に関心があったけれど、今回は「生きもの」と人とのかかわり、それらを積み重ねた子どもたちの姿が見たかった。神山町で取り組んでいる「食農教育」につながる何かを得たいという気持ちを携えて。 参観して感じていることをメモで残しておきたい。 どの学年の内容も魅力的で、体が三つくらい欲しいと思ってしまう参観授業。3年生を参観。 授業場所である「湧水の森」まで徒歩で向かった。

          21_一人ひとりが、一匹、一羽、一頭が大切にされている場所

          20_「みんなでつくる」をどうつくっていくかに関心がある

          心痛む1月のはじまりから早くも1ヶ月。 先日、小学校2年生が雪の中収穫した野菜を地域の店舗前で販売し、売上の使い途を考えている。農業高校の生徒は神山小麦でラーメンを完成させたり、リーベフラウ(石井町)の協力ですだち胡椒ソーセージをつくったり。ファームクラブの学生、は地域の人にお声がけして収穫したお米とカレーライスを振る舞う小さな感謝祭を開いた。毎週、盛りだくさん。 子どもだけではない。昨日はドバイ、オーストラリア、イタリアから来られた方にお会いした。この3週間で視察対応が8件

          20_「みんなでつくる」をどうつくっていくかに関心がある

          19_〝まち〟という言葉のもつ意味合いがわかると、見える景色もかわる

          収穫した大豆を手に校庭を横切る子どもたちの後ろ姿は石原夏果さんに撮ってもらった写真。るんるんと音が聞こえてきそうでとても好きなショット。 まちの中で、小さなチャレンジを重ねていく 1、2年生が野菜を、3年生が大豆を育てていた畑は、11月下旬から12月中旬にかけて収穫ラッシュ。 一部、虫に食べられたり病気になったり予想に反した成長スピードだったりしたものもあったけれど、概ね順調。育てた野菜をどうするか?の部分では学年ごとにやってみたいチャレンジがあった。 1年生「野菜を

          19_〝まち〟という言葉のもつ意味合いがわかると、見える景色もかわる

          18_すごく大きなテーマは、すごく身近なところから達成しなければいけない

          「サントリー1万人の第九」の本番を終えて、帰りの高速バスの中で書いている。やっぱり本番は楽しかった! まさか第九のあとに一万人で「六甲おろし」を歌うなんてことは思ってもみなかった。さすが寅の年。「六甲おろし」を完璧に歌い切った自分にもびっくりだわ(『おはようパーソナリティ道上洋三です』を聴いて育った人です)。 ベートーヴェン作曲 第九交響曲 合唱付き。レッスンが始まった10月半ばから今日まで、たくさんの気づきと学びの1ヶ月半だった。歌詞はドイツ語。耳慣れたメロディーだけどぜ

          18_すごく大きなテーマは、すごく身近なところから達成しなければいけない

          17_食べものとの関係性を育んでいく

          実りの秋。 10月中旬に開催したSchool Food Forum では多くの学びや新たなつながりが生まれた。そのあと参加した全国学校給食研究協議大会では公立小・中学校の給食に関する動向をインプット。8つの分科会全部にそれぞれ参加したくなるほど、学びが多かった。11月頭には徳島県主催の「食育フェスタ」に登壇し、食農NPOの活動を紹介させてもらった。県内の食育関連の取り組みがズラッと紹介されており、一堂に会する、という場の良さを感じた。 今秋、町内の農体験も充実。大人×神山校

          17_食べものとの関係性を育んでいく

          16_教室は畑に、音楽は食に

          大好きな9月(誕生月)が矢のように過ぎ、あっという間に10月。誕生日は父母とオバたち(←育ての母たち)へ「ありがとう」を伝える日、そして今を生きていることに感謝する日になった。姪と甥が毎年描いてくれる似顔絵はやっぱりうれしい。あたらしい1年のはじまりはじまり。 School Food Forum2023に向けてここのところ多くの時間を割いているのがSchool Food Forum2023の準備。開催まであと1週間。お話を伺いたい方々が揃って神山町に駆けつけてくださる盛りだ

          16_教室は畑に、音楽は食に