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チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方/積読日記

本日はこちら。

本当はみんなで乗り越えたかった

レジリエンス=「回復力」「復元力」「弾性」、という言葉は最近よく聞くようになりました。今年も年始から能登の震災があり、今夏も異常気象による自然災害が多発し、国家・地域単位でのレジリエンスの強化が求められていることも理由の一つかもしれません。

ただし、レジリエンスとは心理学的研究から発展してきた言葉ということなので、もともとレジリエンスとは、個人の特性のことを指す言葉だったということなんですね。

本書では個のレジリエンスでは乗り越えられない困難をチームで乗り越えようという主旨のことが書かれてているのだな、ということが、ここでわかりました。

「本当はみんなで乗り越えたかった」という見出しは、カバーのそでに書かれていた言葉です。この言葉からは、個のレジリエンスで何とかしようともがいているチームメンバーそれぞれの想いが感じられますね。

現代は困難と不確実性の時代

本書サブタイトルにも含まれる「困難」と「不確実性」という言葉。現代はVUCA、不確実性の時代である。VUCAという言葉もよく使われますよね。

VUCAという言葉は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの言葉の頭文字をとった造語です。
その意味は“社会環境・ビジネス環境の複雑性が増大する中で、想定外のことが起きたり、将来の予測が困難だったりする、不確実な状態”を指します。(読み:ブーカ)

https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/vuca

この本の目次を読んでいて興味深かったのは、VUCAを2つに分けて説明してている点です。どういうことかというと、
①V・U(変動性・不確実性)を「この先どうなるかわからない」=未来の不確実性
②C・A(複雑性・曖昧性)を「何が起きているかわからない」=現在の複雑性
この2つに分けているということです。

この現在と未来のわからなさが、困難をより大きなものにしている、というのが本書の主張のようです。
これまで私はVUCAをひとくくりで不確実性という意味だとぼんやり捉えていたので、この現在と未来という時間軸で考えたときにVUCAの解像度があがった感覚がありました。

チームレジリエンスの定義

この本ではチームレジリエンスをこのように定義しています。

チームが「困難」から回復したり、成長したりするための能力やプロセス

「チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームの作り方」より

そして、これ以外にビジネスにおけるレジリエンスには「個人レジリエンス」や「組織レジリエンス」があり、相互に左右するものとして開設されています。

組織レジリエンスはトップダウンで行われるもの、個人レジリエンスはボトムアップで、チームレジリエンスはボトムアップとトップダウンが混在しているということなのでしょうかね。ここについてはさらに読み進める必要がありそうです。

いずれにしても、個人では対応できない不確実性の高い困難に立ち向かうためにチームレジリエンスの強化が求められる時代なのだということですね。

おわりに

「はじめに」と「目次」でチームレジリエンスの輪郭がはっきりしてきました。チームレジリエンスを発揮できる組織の作り方が、本書から学べそうな気がしますね。

最後に、「おわりに」で筆者の一人である池田めぐみさんがレジリエンスの研究を始めたのは、自分自身がすぐに落ち込んでしまうから、レジリエンスを探求することで自分が変われるのでないか、と思ったからだそうです。その後、同期が就職先のチームで悩んでいることからチームレジリエンスの分野に研究対象を移られたそうです。

自分ごとから研究テーマを定めて究めていく池田さんの想いを読み、自分ごと化して取り組めるテーマって何だろう、と別の角度からも考えさせられる本書、読み進めていきたいと思います!

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