読書記録「出世と恋愛 近代文学で読む男と女」
こんばんは。西武ライオンズのファンの割に、日々の駄文に試合の感想や分析が一切ないのは、試合やってる時間にここを書いているからです。しかもCS放送を契約してないし、頻繁に球場へ行ってない身分で偉そうなことはいえません。
かといって、書く時間はこの時間がちょうどいいのです。体育館の体操教室の日の午前中に、Postcrossing(ポスクロ)の絵はがきを書くように(余計混乱する)。
先月名古屋へ行ったときに、新幹線で読むためにリュックに詰めた本、それ以後読んだ本などなど、気の向くままにご紹介しようと思ってました。図書館で借りた本も含まれるので、返却期限の前には……全部紹介したいです。
他にもありますが、まず読んだ本。
「出世と恋愛 近代文学で読む男と女」(斎藤美奈子著、講談社現代新書)
過去に、市の生涯学習センターで受講していた「名著再読」という講座で、先生がポロッと紹介していたのがこの著者の「妊娠小説」(ちくま文庫)。勿論講座の数日後に本屋さんで買って読んだ。面白すぎたので、期待して買って読んだのもこの本。
「妊娠小説」といっても、自分が妊娠して子を産んだ話ではなく、近代文学で「男が女を妊娠させて」というストーリーが非常に多いことを、森鷗外の「舞姫」から村上春樹までを分析した本。書き手が男ばかりだからか?
青春小説の王道は「告白できない男たち」
恋愛小説の王道は「死に急ぐ女たち」
この2本が「出世と恋愛」の主題。男は恋愛下手、うまくいって結ばれても、今度は女が作者に殺されてしまう。明治大正とずっとそういう主題の小説がウケてきたようだ。
後半で菊池寛の「真珠夫人」が紹介されるが、昔昼ドラでやったなー程度だった。文庫も本屋さんで見たけれど、原作とドラマでは時代が違うらしい。東海テレビのドロドロ昼ドラだったと記憶していたので、改めて読んでみると発見の連続だった。図書館にもあるだろうか?
著者が女性だから、共感できるところはあるけど(大正の小説に出てくる男はだらしないと思う)、これを男性が読んだらどう思うのだろう。男性の意見を聞いてみたいものです。「真珠夫人」の瑠璃子は悪女なのだろうか?
そして題材にされた近代文学作品を読んでみようと思ったら、巻末に親切な青空文庫のサイトがあった。個人的には「野菊の墓」(伊藤左千夫)が興味ある。知らない間に青空文庫も進化している。
こんなに面白い文学作品があるなんて、大学時代自分は何をやっていたのか、である。丹念に読んで、特徴のある「あるある」をわかりやすくまとめるのは大変だ。今の新書は本当に幅広いジャンルが展開されている。
新幹線に持ち込んだ最初の本の紹介だけで、終わってしまった。この本の(特に)前半に出てくる男子学生は、ほとんど地方から上京してきたってところが特徴的だったなあ。あと男子校社会で育ったから、恋愛下手というのもある。明治大正は男女別学だったことからくるのでしょうか。