読書記録「銀のボンボニエール」
こんばんは。図書館で本を借りてると、順番というものを考えます。しかし外出の際、どの本を持って行くかを決めるのは、マイページを確認することなく、そのとき読みたい本をリュックに突っ込んでます。
英検や数検の参考書はリュックから出てきません。おかしいなあ?(突っ込んだまま、他の本を読んでしまう)
秩父宮妃勢津子「銀のボンボニエール」(主婦の友社)
※ほぼ間違いなく絶版なんだろうけど、一応Amazonを貼っておきます。図書館で借りて読みました
いやー、皇族に嫁ぐ段階で叔父の養女となってるけど、生まれたときの身分は「平民」だったらしい。それでも、父の松平恒雄は外交官で世界各国に赴任していて、節子(皇族に入る前の名前)もその関係上アメリカの学校を出てるから、スケールが違う。当時の皇室典範では、お妃様は皇族か華族と決まってたため、こんなややこしい手続きをしなければいけなかったという。
大正から昭和にかけての世の中は、厳然たる身分の違いというのがあったのを強く感じる言葉遣いだったりする。夫の秩父宮は「宮さま」で一貫している。結婚当初は「ロマンス説」があったというけれど、「あとがき」で強く否定している。秩父宮は父大正天皇の崩御がなければ、オックスフォードで勉強を続けたかったというし、自分自身アメリカの学校を出たばかりの子どもであると書かれている。要は接点はほとんどなかったということ。
うーん、自由恋愛が許されない時代、しかも身分の高い人の世界、どうしてそんな誤解が生まれたときのだろう? 当時のメディアといえば新聞で、人気のある宮さま(スキーや登山、ラグビーなどが好きだったらしい)のご成婚だから、大きく書いたのだろうか?
年の差もあったし、皇室の生活についてゆくのも大変なのに、この秩父宮ご夫妻はとても仲がよかったように感じる。今のように民間の前に姿を見せることもそれほどなかったけれど、スポーツも登山も好きだというので、国民に愛されてたみたいである。ラグビーの秩父宮ラグビー場は、この宮さまにちなんでつけられた名称です。
皇族の中では、特に貞明皇后(大正天皇の皇后、秩父宮の母)にはかわいがられてたようで、ちょくちょく文章に出てくる。昭和天皇や香淳皇后はあまり出てこない。今の上皇陛下の誕生もほんのちょっと。
やっぱり昭和初期の天皇の存在は絶対だったのだと思う。男性皇族も軍人になってたような時代。
秩父宮がいい人だったなあ…結核で早くに亡くなるなんて惜しい人だなあとも思います。他の兄弟は昭和天皇含めみんな長生きしてたのに。
軍人としても真面目で、自分は皇族なんだと偉そうにしていなかった様子も伝わってくる。
この勢津子妃という人は控えめな性格のように思いました。最後の章が「もっとわがままに」という時点で、もう。そうはいっても、皇室という世界が「一歩引いたところで」とさせるのでしょう。