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身近なところから校訓(スクールモットー)を考えたい。

校訓とは?

辞書によると、各学校の建学精神、教育方針などを標語的に成文し、児童生徒の学習生活の指針としたものとある。

本校のスクールモットーは、

Open Heart, Open Mind(心を開いて、思いを自由にして)

とても良い言葉。

ただ、なんとなくは分かるが、ハッキリとは分からない。考えようによっては、全ての行動がOpen HeartでOpen Mindではないのかとさえ思う。

私の解釈はこう。

自分の考えが絶対に正しいと思うのではなく、他人の違う意見や考え方を認め、心を開いて受け入れましょう。クラスの中にも、日本の中にも、また世界の中にも色んな人がいます。その上で、自分の思い込みや決めつけを取り払い、思いを自由にして、公平でフェアな精神で認め合い、尊敬しあい、また許しあい、思いやりのある人になりましょう。

と言っても、この言語化された内容も漠然と抽象化しすぎている。

これでは、生徒たちには伝わらない。

ということで、

折角の良いスクールモットー!

もっと身近に感じて欲しい。

そこで、年に1回、毎年3学期初めは、校訓について考える

テーマ:スクールモットー(Open Heart, Open Mind)を成す1部、決めつけの失敗談の募集

方法:具体例を教員側より2~3だし、生徒の失敗談を募集。
   その後、全体で振り返り。

手段:Formsのアンケート機能で集約

【生徒の”決めつけ”失敗談】
・家でおやつを食べようとしたら無かった。うちは弟が食べたと思ったけどほんとはパパが食べてた。

・小6の時の外国人担任が肌が黒い人で顔も怖く感じてしまったから、話しかけられると怖がってたけどちょっと心を開いてみたら優しくてとてもいい先生だったので決めつけて失敗でした。

・コソコソ話で、悪口を言われてる思ってたけど、本当は違う話をしているだけだった。

・小学校の時に学年の問題児でこわいと言われていた男の子と同じクラスになり、始めは少し怖くて話しかけるのもやめようと思ってたぐらいだったけど話してみると実は優しい性格で気づいたらプライベートとかでも遊ぶほど仲になれた。

・小さいころからお母さんが「もっと愛想よく交友関係を広めなさい」と怒ってた。怒られているときは、人それぞれだし私は私だから周りの人が少なくていいと思ってた。でも、愛想よく交友関係を広める努力したら色んな情報が入ってきて、助けてもらえるようになることが分かった。

・3人組で行動しているため、自分以外の2人だけが仲良く話しているのをみると、ついつい「自分は好まれていないのかな」、「のけもの扱いしている」と思ってしまう。しかし、実際は2人は2人の共通した話題について話してるだけで、反対に話したいことを話さない方が不自然なので、決して孤立させるために2人で話していないということに気づき、決めつけは良くないなと考えさせられた。

【振り返りの活動】

そうそう、そういうのが身近なOpen Heart, Open mindということだよ!
という具合に説明

加えて、以下の確認

①決めつけはよくないこと。
②思い込みが生むトラブルがあること。
③Open Heart, Open Mindの確認:自分の考えが絶対に正しいと思うのではなく、他人の違う意見や考え方を認め、心を開いて受け入れましょう。クラスの中にも、日本の中にも、また世界の中にも色んな人がいます。その上で、自分の思い込みや決めつけを取り払い、思いを自由にして、公平でフェアな精神で認め合い、尊敬しあい、また許しあい、思いやりのある人になりましょう。


最後に


実際、本校の教育活動を振り返ると、確かにOpen Heart, Open Mindのモットーに基づいていて、設立の背景から歴史をもひもといていくと、伝統の中でそういう精神が育まれてきたのが良く分かる。

無意識のうちにその精神が出来上がっていくのが、本校の中での教育の特徴だと常々、感じていた。

だからこそ、その漠然としたそのすばらしい精神をもっと具体的なレベルに落とし込んで、分かりやすく、伝えられないかな?というのが、この取り組みのきっかけ。

漠然とした抽象概念がある場合は、状況を設定して、○○の場合の、○○(目標)とはどういうこと?

そんな活動をすると、目標の概念が落とし込みやすいなと思います。

その他の例
中1&中2の学年目標
Know the world: Embrace the Unknown:
世界の有り様を知り、未知との遭遇(そうぐう)を楽しむ

掃除におけるKnow the world: Embrace the Unknownとは?
授業におけるKnow the world: Embrace the Unknownとは?

という具合に状況を設定して、活動を行い、概念を落とし込む。


校訓やスクールモットーは、

その学校をあらわす特徴が入った言葉で、心に残るものばかりです。

だからこそ、年に1回でも、それを具体的な実生活のレベルまで落とし込む活動があっても、良いのではないでしょうか?

今後も方法を試行錯誤しながら、中学3年や高校3年のなかで、Open Heart, Open Mindの精神を考える活動を行い、

最終的には、生徒たちが自分なりの

Open Heart, Open Mind

を見つけ、成長していってほしいなと思います。

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