中高生の思考を広げるChatGPT/Copilotプロンプト
『なるほどね、そういう視点(考え方)があったのね、気づいてなかったわ』
中高生の教育を担当していると、生徒がそういう言葉や感想を得ている場面に出くわす。こういう新しい気づきを得るのって本当に大事で、その大切さはみんな知っている。
で、本題はここから。
こういう体験を生徒たちにしてもらおうと思うと、大体が協働でのグループ学習、ディスカッション、ディベートとなる。気づいてないものに気づくのだから、当然ながら本人+αが必要になる。
それらはとても有意義な活動なのだけど、時間がかかる。
深い部分まで考察していくなら、その手法を取り入れる
のだけど、
もっと早く回数を回して、反応速度を高めて、さっと柔軟な思考や考えが出て欲しい、と思う訳です。
私は英語教員なので、TOEFL iBTの統合型のライティングにも対応するようなトレーニングを想定しています。また大学受験の小論文試験でもスピードが求められているのは間違いない。
そこで考えたのが、こちらのプロンプト
(プロンプトのコピペできる文字は最後)
観点の部分には、できるだけ色んな分野を網羅的にカバーできるように設定。従来は、生徒たちが意見を考えにくかったら、こちらを参照して考えるよう指導してきた。
でもね、生成AI(copilotやchat gpt)を使うと。
例えば、こういう問題。
スポーツ報道において、女性選手は実力よりも容姿が注目されやすい、ニックネームや「ちゃん」づけで子ども扱いされる、母親・妻としての役割が強調される、という傾向が従来指摘されている。そうした現象がどのような社会的原因によって生じるのか、考察せよ。
生徒たちにこういう問題を出した時、彼女たちは観点をつかって考えると何かしらの意見は浮かんでくる。
だが、そこまで。
そこからの思考の枠を広げたい。
のです!
で、先ほどのプロンプトにいれると、
こうなる。よく分からなければ、⑤と⑧についてもう少しおしえて。
『なるほどね、そういう視点(考え方)があったのね、気づいてなかったわ』
となるわけです。
正直、こういう気づきって毎日の学校授業で、毎日あるわけではない。それがchatGPTを使うとさっと、できるわけです。
3学期は、このプロンプトにもう数個のプロンプトを生徒たちに伝えて、
①ChatGPTで新しい見方を知る。
②chatGPTで技法(補足説明、対比、事例、反駁など)を知る。
③ChatGPTである型を用いて小論文を作る。
④最後に内容を確認しながら、自分の文体にして小論完成。
①から④の流れで1週間に2本、800字程度の小論文を作成して提出してもらう指導案を考えています。質よりも量でのトレーニング。
きっと教員にとってもディベートやディスカッションの事前準備でも役立つと思います。
プロンプト(適宜、コピペして編集してください。)
そのままコピペだと上手く改行できないと思います。
2024年7月27日(土)追記
3学期が始まり実際に授業実践を行いました。
朝の音読の時間を利用して、週に1本ずつ小論文を作成。
①(ChatGPTなしで)テーマ確認、ネットリサーチ、意見共有
ポイント:情報なしで意見を出す練習
②ChatGPTで小論作成
ポイント:様々な視点での考えを知る&小論文の構成
③ChatGPTの小論編集⇒提出⇒ペアで共有
ポイント:小論文の構成、語彙力アップ
【作成小論文例】選択的夫婦別姓導入の是非について
現代社会において、夫婦が異なる姓を選択できるようにする「選択的夫婦別姓」が議論されている。この制度が導入されるべきか否かは、多くの人々にとって深刻な問題となっている。私はこの制度導入に賛成であり、その理由は大きく2つある。まず、夫婦の自己決定権を尊重することで、個々のアイデンティティや自由な生き方を奨励できる点が挙げられる。また、社会全体での多様性と包摂を促進し、これが豊かな社会の形成に繋がると考えている。
理由の一つ目は、夫婦の自己決定権の尊重によるものだ。夫婦関係は個人の自由な選択によって形成されるべきであり、それには名前の選択も含まれる。例えば、夫婦が異なる姓を選ぶことで、個々のアイデンティティや尊重された存在感が強調されるだろう。これが尊重されることで、お互いの違いを認め合い、より深い信頼関係が築かれることが期待できる。逆に、同姓強制は個人の自由を制限し、夫婦関係において緊張を生む可能性があるのだ。
もう一つの理由は、社会全体での多様性と包摂の促進だ。現行の同姓制度では、一定の規範に沿った結婚が求められ、異なる背景を持つ夫婦がその枠組みに適合しきれないことがある。夫婦別姓が認められることで、異なる名前を持つ夫婦が社会においてより自由に活動し、多様性をもたらすことが期待される。一部では、同姓が社会の調和を図る手段であるとの意見もあるが、これは単なる結婚制度に対する伝統的な観念であり、多様性が社会に与える豊かさを理解していないものと言えるだろう。
まとめると、選択的夫婦別姓は夫婦の自己決定権を尊重し、社会全体において多様性と包摂を促進する道を拓く一環と言える。この制度の導入により、将来的にはより個別化された社会が形成され、個々の人々がより豊かな人生を築く手助けとなることが期待できる。