ホンダ・日産・三菱の統合および連携協議、検討報道や動きを通して思うこと(5)

本来は4で終わりと考えていましたが、4以外基本現状の車業界にある暗い部分ばかりで、どこかフェアじゃない良くないことだなと思い、4に引き続きもう少し明るい展望を触れておきたいと思います。

この機会に業界の課題や問題を出し切ってみませんか?

今のメディア業界の動きのように…業界内の課題や問題をキチンと見直す機会にして、足もとを揺るがし意識意欲を落とすリスクを出来るだけ減らし、国際競争力を持てる人権的にもクリーンな業界になることを期待します。

今後期待の持てる東南アジア市場について

今回話題の当事者の中で現在ホンダであれば二輪が
三菱であれば四輪がシェアを持っている東南アジア市場ですが

特にインドネシアは今後近い将来GDP第4位ぐらいまで浮上してくる予想、可能性があります。

このあたりの可能性について学習院大学特別客員教授で元駐インドネシア大使の石井正文さんはじめ、海外を得意とするエコノミストの方々なども以前から所々で触れているとおりであり

実際にインドネシアの開発は外資流入も加速し、海外資本の大きなプロジェクトによって将来を見通した様々な一体開発が進んでいたりします。

そうしたプロジェクトに留まらず、まだ手つかずの未開の地を開発し高速道路などのインフラ整備、拡充、日本でも聞くような商業施設の開発なども進んでいたりします。

そのおかげでこれまで課題であった渋滞の緩和、治安の改善、国土強靱化による減災などが進むことで、生産や輸出入が止まるリスクも年々改善が進むことになると考えます。

またインドネシアは様々な宗教、言語、文化の方々が住まう、多様性ある多民族国家で海外の有名企業がインドネシアにアジア及び東南アジア拠点を設ける流れ、選択肢になる要因にもなっています。

このようにインドネシアは将来的に厚みが増してくる可能性ある国で、現在はお値打ちな価格帯の販売がメインだとしても…今後の発展で所得が伸び、高所得者層の人口増加によって二輪ユーザーさんから四輪購入層の拡大はじめ、高価格帯および利益率の高い車種の販売が伸びてくることになると思います。

このような動きは現在インド市場などインドネシア近隣諸国でも見られる現象になっているので、今後東南アジア市場は非常に有望な市場になる可能性が高いです。

他にも東南アジアに注力する、出来る土壌を持っていることでの良さとしては地政学リスクの分散にも寄与する可能性があります。

現在考えられる有事の時に台湾の近くバシー海峡およびマラッカ海峡付近は航行が難しくなるリスクが考えられます。

そうしたときにインドネシア南側のスンダ海峡、ロンボク海峡経由やオーストラリア経由などの可能性も考えられ、日数や効率なども考えるとインドネシア周辺に拠点を持ち、厚みを増しておくことの利点があると考えられます。

また広域的な発想で考えると、これまでの海外拠点と輸送路の見直しおよびその時々に応じた対応方法の確認、準備を行うことで、現状の改善、効率化からもしもの時もビジネス、経済活動を継続できる可能性を持つことができると考えます。

場合によっては現状苦手とする国々への販売対応の拡充も可能になり得る部分も十二分にあると思うので、そうしたビジネススタイルのリビルド、改善に寄与する動きもあるといいなと思います。

実際東南アジアに研究開発拠点を持ち、ウエイトを高めている部分はじめ、様々なリスクのある中国から分散、出口戦略としても今後の可能性を期待する部分になります。

これからが気になるアメリカ市場、拠点について

アメリカは関税などの心配もありますが…日本国内では様々な理由が難しい研究開発が行える利点があることはじめ、日本とは異なる需要の可能性、幅があること、車への関心の高さを示すレースをはじめとしたイベントの持つ可能性を活かせる土壌を持ち合わせているため、他の地域では見ない様々なチャレンジの可能性もあると考えられ、そうした環境を上手く活用することで各社の持つパワフルな製品、コンテンツをアメリカ市場に打ち出していける可能性を期待します。

各社の持つデータ共有が持つシナジー効果への期待

各社の持つ技術、開発の強みが注目を浴びていますが…
もう少し違ったところにも目を向けてみることも大切と思います。

例えば
・各社の拠点で働く人の声を集める
(各社の現場が感じている良さはじめ
課題と可能性を絞り出し、改善のため)
・各社の持つ拠点、施設の特徴や地域に関する情報
(設備の新旧・老朽化情報・地盤情報・ロジ・所有地規模など)
・各社の持つ製造工程技術、設備の仕様、課題の共有
(今現場で生じている課題を改善、より良い生産のため)

・各社が持っているブランドイメージ向上方法の共有
(各社が有するコンテンツとバックグラウンド資産活用促進)
・メディア戦略の成果・結果・スキーム情報
(適宜最適化はじめ効率化はもちろんのこと
ブランドイメージ向上手法の幅、選択肢を増やすため)
・各社の持つ特徴あるデザインや性能、技術に
対する反響はじめマーケティング情報と開発技術者視点の声
(ユーザーの求めるものを開発、提供しやすくするため)
・統合、共通化による影響、カスタマイズ可能領域の確認
(何でも統合、共通化で没個性にならないために)
・共通化しすぎるとダメなりそうな部分の洗い出し
(ブランドイメージに沿った製品作りが継続できるように)
・純正機器類の技術共有、製品統合の可能性などの模索
(各社の得意を統合した純正機器の登場することを期待)

・各社の持つ今後の展望や注力事業への認識、意識共有
(互いのエッセンス共有と将来可能性理解を深めるため)
・開発していて頭打ちになっている分野の情報、認識共有
(持っている技術によってブレークスルー方法の模索のため)
・各社余力があったら開発したいと思う分野の共有
(選択と集中で難しくなっている開発投資可能性の模索)
・社内およびケイレツ、下請け対応、改善手法と結果の共有
(社内の最適化からケイレツ、下請け関係性を改善するため)
・各社のケイレツ、下請け、サプライヤーの持つ良さ共有
(選択と集中による統廃合で良さ、可能性を失わないため)
・利用しているビジネスソリューションの情報共有と見直し
(ビジネスソリューションの統廃合を悪影響最小限に行うため)
・情報共有、セキュリティー対策意識、技術の共有
(社内情報保護から自動車の安全に関わる大切な分野のため)

というように様々な切り口を触れてみましたが
一つだけでは意味が為さないように感じる人もいることも
連動する事柄の視点毎に幅広く視野広く持って多角的に
検討することで見えてくる可能性、改善点が出てくると考えます。

統廃合の波によって現場の声が大切にされないのも悲しいですし、改善の種や可能性の見落とし、各現場の持つ良さ、地の利が活かされないのも勿体ないという現場寄りの視点で考えることはじめ

各社のこれまでの歩みの中で育まれた様々なことを今回のことを機に社外の多様な価値観や経験を持つ人達が触れることで新たな発見、可能性の種を見出すこともあるのではないだろうかと思うのです。

もちろんこれまでに各社企業や技術研究し切磋琢磨していることは理解の上、なかなか簡単なことではなく難しいこととは思いますが、改めて各々の経営者や研究開発者、現場の人々が互いに胸襟を開き、これまでの課題と事実に向き合って取り組むことが課題の改善とシナジー効果を出すためには欠かせないことだろうなと思います。

というのもこれまで各社色んな形で頭を打ってきたこと、苦労苦悩してきたこと、批評批判にさらされてきたことと思います。

中にはカラカラに乾燥した雑巾を更に絞るようなことを積み重ねてきた部分もあると思います。

そうした内部に答えや方法、可能性を求め続けること自体も難しい部分もあるのではないだろうかとも思うのです。

ですからこの機にいつもは飛び越えることが難しい、出来ない枠組みを超えた取り組みを通して、各所にあるウィークポイントを乗り越えることが出来たなら…と夢見がちと言われる方も少なからずあるとは思いますが、これまでの様々な方々による話を伺いながら何とか少しでもより良い状況、可能性につながればと想い、願います。

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