ビジネスを哲学する|18. 栄養って何だろう?

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人体はうまくできている。

細胞というメンバーは、人体から栄養をもらい、ただ自分の役割を果たす。それだけで、人体は、歩いたり食べたりといった目的を果たすことができる。

もちろん脳から指令は出される。目的のための指令だ。

でも細胞は、それが何の目的のための指令かを知らない。ただ指令を刺激として受けとり、その刺激に反応して役割を果たす。

目的を知らない細胞。それでも細胞は生き生きと役割を果たす。

それはなぜだろう?

それは細胞が、栄養という原動力、つまりモチベーションを、人体から十分にもらっているからだ。

これを見習うとすると、人間の組織が指令とともにメンバーに与えるべきなのは、目的や目的意識ではない。モチベーションをメンバーに与えるべきなのだ。

目的や目的意識を与えることがうまくいったとしても、それは人をワーカホリックにするだけだ(前の記事参照)。それは人を一時的には生き生きさせるように見えるかもしれないが、徐々に人を疲弊させてしまう。

それは人がまさに細胞でできた人体だからだ。細胞でできた人体は、目的以外のモチベーションを必要としている。

目的は未来にある。細胞でできた人体は、未来のために動きつづけることができない。現在の栄養、現在の原動力、現在のモチベーションが必要なのだ。

お金というモチベーションの限界がここにもある。お金は、役割を果たした結果、未来に与えられるものだ。しかも、そのお金を使って得られる幸福は、さらに未来にある。

必要なのは、いますぐ得られるモチベーション。人体を見習うなら、人間の組織はそれをメンバーに与えなければならない。

さて、どうすればそれを人に与えることができるだろうか?

 つづく

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