あらゆる病の引き金に? 慢性炎症のメカニズムと意外な原因
最近、ホットな話題の一つとして慢性的な炎症がある。医師たちが話している複数のPodcastですごくよく耳にします。しかも慢性的な炎症は普段の生活で自分の体内で起きているかどうかを気づくことがないのが怖い。
実際、慢性的な炎症は多くの死因となる病気の原因となっています。そこで、私が炎症について学んだことをまとめてみました。
ただし、私は医師ではないので、この記事は診断を行うものではありません。自分が学んだ内容をまとめた備忘録という位置づけです。もしご参考になれば幸いです。
この記事はこんな人におすすめ
慢性的な炎症について知りたい
自分が慢性的な炎症なのか調べる方法を知りたい
慢性的な炎症の根本原因であるのは腸内環境である
自分の腸内細菌がどうなっているのか知りたい、または改善したい
炎症は大きく分けて2種類
炎症とは体を守るために免疫機能が働くことで起きる防御反応です。そして、大きく2種類あるので紹介します。
急性炎症
体が炎症を起こして怪我などを治すために起こる。これが問題ではない
慢性的な炎症
体内が慢性的に軽い炎症が長期に渡って続く状態です。この慢性的な炎症は自覚症状はないため、隠れた炎症、静かな炎症とも呼ばれている。そして、この慢性的な炎症が加齢とともに発症する病気の大きな病気の原因になっていると考えられている。
注意したいのは2番目に紹介した慢性的な炎症だ。
慢性的な炎症が引き起こすと考えられている病気
慢性的な炎症を体内で何ヶ月、何年と起り続けて、年齢を重ねていくと下の病気の発症の原因になると考えられている。
生活習慣病
肥満
糖尿病
脂質異常症
慢性腎臓病
非アルコール性脂肪肝炎など
動脈硬化性疾患
心臓病
虚血性心疾患
脳卒中など
一部の癌
アルツハイマー
ADD(注意欠陥・多動性障害)
など
慢性的な炎症は体内で起きていたら嫌ですよね。しかも、慢性的な炎症が起きていても気づかないのが怖いところです。
慢性的な炎症は血液検査で分かる
健康診断の血液検査で慢性的な炎症が起きているか調べることができます。
通常の健康診断の血液検査で下の2つの指標のいずれかが含まれているかどうか分からないので、調べる場合はオプションで足せばいい。私も半年周期で血液検査をするようになり、前回の検査からCRPを調べるようにした。
C-リアクティブプロテイン(CRP)の値を見る
体内で炎症が起きたり組織細胞に障害が起こるとC-リアクティブプロテインが増えていきます。もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
赤血球沈降速度(ESR)の値を見る
ESRもCRP同様に体内に炎症があるかを見る指標の一つです。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
CRP、ESRとも体内に炎症があることを調べることができるが、どこで炎症が起きているのかは分からない
だから、さらに詳しい検査をしてどこで炎症が起きているのかを調べることになるというシナリオなのでしょう。詳しくはお医者さんに相談ください。
僕自身、2024年5月に血液検査でCRPを調べてもらい、検査結果は一番低い値で安心したところです。
検査値:<0.4
正常範囲:0.0 - 5.0 mg/L
慢性的な炎症が起こる仕組み
慢性的な炎症の原因として考えられているのは下のように環境、ライフスタイルです。
慢性的な炎症の原因たち
食生活 西洋的な食事、砂糖、塩、加工食品、質の低い脂肪、少ない繊維質
環境汚染 空気、水、食べ物に加えられてる薬品
運動不足
座っている生活
毎日の食事、慢性的なストレスによっておこる「リーキーガット症候群」(腸壁バリアが壊れて隙間ができ、腸内にあるべき細菌や食物成分が身体の中に入ってしまう現象)が大きな原因の1つになっています。
ここではリーキーガット症候群から炎症が起こる手順を紹介します。
前提知識
腸は食べ物が入ってきて栄養を体内に取り込み、それ以外のものを体外に出す
食べ物の消化と吸収を腸内細菌が手伝っている
免疫細胞の7割は腸にいると言われている。小腸に5割、大腸に2割
腸内細菌たちは生き物なので食べ物が必要
毎日の食事から体内で慢性的な炎症が生じる手順
毎日の食事で腸内細菌が食べる食物繊維、さらに発酵食品を食べないと下の5つのことが毎日起こり、体内で慢性的な炎症が生じると僕は理解しています。画像はLeonard AIで作ってみました。
1.腸内細菌が食べるものを食べないと、お腹を空かした腸内細菌は腸壁を食べる
腸内細菌は食物繊維を食べる。野菜、フルーツ、豆、きのこ類などの食物繊維を含む食べ物、発酵食品を食べずにファーストフード、加工食品ばかり食べている状態は腸内細菌への食べ物を供給をあまりしていない状態と言えるのだろう。
2.腸壁が薄くなっていくのと、隙間ができる
腸内細菌が腸壁を食べていくと腸壁のMucosa Layer(ミュコサーレイヤー)が薄くなり、細胞同士を繋げているタイトジャンクションが緩くなる。
3.本来は大便として体外に出るべきものが腸壁から血液に入る
血液に入ったいらないものをゴミと呼ぶ。腸が健康な状態なら体内に入ってこないものが毎日、食事をするごとに体内に入り続けることになる。
4. 血液中に入ったゴミに白血球が反応して攻撃することで炎症が起きる
体内に本来入って欲しくないものが入るので、白血球が細菌、ウイルスが体内に入ったのと同様に認識して攻撃します。白血球が攻撃をすると炎症が起こります。
5. これが毎食繰り返されるため体内はずっと炎症が起きている状態になる
毎日の食事で体内の血液中に本来入って欲しくないものは入り続け、白血球が反応して炎症を起こし続けます。
1から5のプロセスが毎日の食事が起因となって起きる、慢性的な炎症が1回ならいいのだろうが、これが数十年に渡って炎症が続いていくことで、さまざまな病気を引き起こしていくみたいです。
慢性的な炎症が起きる仕組みを理解するサポートになったら嬉しいです。そして、食べる物がその原因に大きく関係していることが分かっていただけただろう。
慢性的な炎症の改善するには
慢性的な炎症を改善するには、根本的な原因にアプローチするのが大事です。炎症だからといって、炎症を抑える薬を飲んでも根本的な改善にはなりません。ここではライフスタイルを改善することでの根本的に改善に向かわせることを軽く紹介する。
食生活
加工されてない食材を食べる
さまざまな野菜、フルーツを食べて食物繊維を摂る
1週間で30種類の野菜、フルーツを食べる人たちは腸内環境が健康であると腸内環境の大切さをうたっているWill医師が話していた
砂糖、人工甘味料、精製された炭水化物を避ける
運動
積極的なリラックス 瞑想、ヨガ
温度による刺激 サウナ、水風呂、水シャワーなど
もし、ファーストフード、加工食品、炭水化物ばかり食べている食生活をしていて慢性的な炎症を避けたいのであれば、食生活を初めとした生活習慣を改善されるとても大事なことだと思います。
参考までに僕の食生活は野菜が中心
朝昼晩の食事は野菜中心の食事です。スナックはフルーツを食べるようにしています。下の写真は僕の毎日の朝食です。セロリを毎朝100gとりんごなどのフルーツを食べています。シドニーにいると日本のように納豆が安価で買えないので発酵食品の接種としてヨーグルトを食べている。
この朝食で摂っている食物繊維は下の量だと想定する。
朝食で摂取している食物繊維の量
セロリ:1.5g
りんご:1g
オレンジ:1g
キュウイ:0.5g
合計:4g
朝食から食物繊維を積極的に食べている。ランチとディナーの食後には甘い物が食べたくなるのでりんご、梨など旬なフルーツをそのまま食べている。
ランチもディナーも野菜多めの食事を食べ続けている。
おかげで昔は便秘気味だったが、今は朝に2回ほど便が出ている快腸な状態がずっと続いている。免疫力も高いことが自分でも分かる。
何かの参考になったら嬉しいです。
腸内細菌の状態が分かる検査はAmazonで手軽に買える
慢性的な炎症に深く関係している腸内環境の状態を知りたいと思い、私は2024年4月に腸内フローラ検査「マイキンソー」をやってみた。
Amazonで頼んですぐに届くので、自分の便のサンプルを採取したら同封されている封筒で送るだけ。あとは結果が待つだけ。結果はWebサイトのログインして見れる。
下のスクリーンショットは僕の腸内細菌の総合判定結果だ。
総合判定からさらに7つのカテゴリーに分解した評価もしてくれます。僕のカテゴリー評価のスクショを貼り付けます。各カテゴリーの内容も詳しい検査結果とおすすめの行動を書いているので、分かりやすく、自分の日々の習慣に取り入れるべき行動が分かります。
自分の腸内細菌がどうなっているのかを知りたい方は腸内フローラ検査「マイキンソー」をやってみると知らなかったことを知ることができて、自分の身体への理解が深まるでしょう。
最後に
慢性的な炎症についての理解を多少なりとも深められるお手伝いができたら嬉しい。
慢性的な炎症は加齢と深く関係しているみたいだ。見た目が老けている人、肥満な人は慢性的な炎症が体内で起きているかもしれないので、CRPを血液検査で調べてみるのはいい考えだと個人的には思う。
参照元
下のPodcast、Webサイトたちがこの記事の情報元になっています。
炎症について分かる血液検査の値