蔵書紹介:コンテナ物語/マルク・レビンソン、コンテナから読む世界経済/松田琢磨
本の概要
『コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった』マルク・レビンソン (著), 村井 章子 (翻訳)
『コンテナから読む世界経済 経済の血液はこの「箱」が運んでいる!』松田 琢磨 (著)
今回はコンテナに関する本2冊をまとめて紹介する。
『コンテナ物語』は原著が2005年の刊行でグローバルで長期的に売られており、また、ひろゆき氏の記事で紹介されていたこともあり、知名度が高い。外国人著者の翻訳版だったりハードカバーであったりととっつきづらい点もある。
『コンテナから読む世界経済』のほうは最近出た新しい本であり、日本人が書いているため読みやすいと思われる。こちらはソフトカバー。
船で荷物を輸送する際にコンテナを使うと、積載量の増加(デッドスペース削減)、積み下ろし時間の短縮、トラックや倉庫への流用、荷物の盗難防止などのメリットがある。船やトラックという根本的な輸送手段は大きく変えずに、コンテナで小分けするという工夫で物流の効率や世界経済を大きく発展させた。この歴史的経緯や仕組みについて説明されている。
このような工夫による改善は物流以外でも応用できる。たとえば仕事が忙しいからといって考えなしに人を雇うのはランニングコストが大きく増えてしまうし、非効率な状態で働く人を増やすことになった場合には不幸な人を増やしてしまう。一方で仕事自体を根本的に変えるのは各所への影響も含めてイニシャルコストが高い。まずは実行しやすい低コストな工夫による改善で効率を上げるのを目指してから、人を増やすという順番が多くの場合で合理的だろう。(急いでいるときやリソースが有り余っている場合ならその限りではないかもしれない)
私の積読は本棚とコンテナを使っている。本を床に直置きで積む場合、積みすぎると倒れるから積める数に限界があるし、下のほうや奥のほうにある本を出すときに手間がかかっていたが、コンテナを使うことでこれらの課題を解消できている。
購入経緯と読書状況
『コンテナ物語』を買ったときのことは覚えていないが、TwitterかYouTubeを見たか、ひろゆき氏の記事を見て買ったと思われる。物流や経済にはあまり興味がないが、コンテナが劇的に変化を及ぼした仕組みには興味がある。
『コンテナから読む世界経済』は会社の同僚から勧められて購入した。飲み会でコンテナのおもしろさについて話が盛り上がった際に『コンテナ物語』とは別の書籍があると聞いて本書の存在を知って、後で読もうと積読してある。
『コンテナ物語』も『コンテナから読む世界経済』もまだ読んでいない。内容に興味はあるが、昨日紹介した『ホモ・デウス』などのハラリ本と同様に優先度や読む体力が足りていなくて読めていない。読み始めればおもしろいはずなので、本書も余力があればぜひ読みたい。