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都会とアジアと同性愛の現代短歌- 小佐野彈『メタリック』
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小佐野彈『メタリック』です。ビビッドなブックデザインが印象的な現代短歌集。
裕福な家庭に生まれ育ったものの、自身のジェンダー・アイデンティティに悩み、それを中学生の頃から短歌という形で発露してきたという著者の300編を超える一冊。
短歌はツイッターでも読むこともできるけど、1ページに3編書かれてる紙の本で読むのは余白も含めてものすごくいいですね。ちょうど余白も含めて想像が膨らむ。
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著書は台湾を拠点に日本と往復したり、海外に事業に行ったりする生活を送っており、その旅の中での数日を辿るシリーズが面白い。57577を声に出して読み進めながら、著者の新宿の夜を追体験する。短歌のこういう書き方があるんだなあと思った。自分もやってみたい。
都会とアジアと同性愛の現代短歌。
二元論ばかり行き交ふ白昼はただ花として眠つて過ごす
今、精神安定のために某氏のニュースを避けてる自分に響いたのはこの句でした。