【ホルン超初心者マニュアル】⑥自分の楽器が何ホルンで、何管なのか知ろう
ホルン奏者の庄司知世です。
この記事をご覧になる前に「①まず初めに大事なことを言います」を読んでから先にお進みください!
読んでいただきありがとうございます(^^)
それでは先へお進みください。
さて、今回は
自分の楽器が何ホルンで何管か知ろうです。
ホルンにはF管かB♭管どちらかが1つ付いているシングルホルンや、F管とB♭管両方ついているダブルホルンなどがあります。学校楽器はほとんどがこの中のどれかだと思います。
STEP1.シングルホルン?ダブルホルン?もしくは…?
多くの学校で使われているシングルホルンとダブルホルンのちがいは、マニュアル③STEP1でも説明しました。
時間がない人のために、ここでもう一度おさらいしましょう。
ウラのチューニング管の数と、1〜3番管の抜き差し管が何階建てかで見分けられます。
【シングルホルン】
・ウラ側にチューニング管が1つしかない
・1〜3番管が1階建て
【ダブルホルン】
・ウラ側にチューニング管が2つある
・1〜3番管が2階建て
学校にある楽器は、シングルかダブルのどちらかが多いです。
そしてダブルホルンは、フルダブルホルンとセミダブルホルンの2つに分けられます。学校にある楽器はフルダブルホルンがほとんどだと思いますが、セミダブルホルンというのもたまに見かけます。
セミダブルホルンは抜き差し管の1階建て部分がとても短く、2番管が抜けないのが大きな特徴(とくちょう)です。ウラから見ると、よく分かります。
他にも、3階建てのトリプルホルンなど色んなホルンがありますが、もし学校にあっても初心者向きではないので、選べるなら今すぐちがう楽器にしましょう。
そして、これからホルンを買う人は、フルダブルホルンがいちばんオーソドックスなので、長く吹くつもりで予算があるなら、フルダブルホルンを買うのをオススメします。
STEP2. F管とB♭管とは?
Fという音は、ピアノのファの音。
B♭という音は、ピアノのシ♭(シのフラット=シより半音低い)の音です。
何も指を押さないでFの音が出るのがF管です。
何も指を押さないでB♭の音が出るのがB♭管です。
合奏などでチューニングする時に使うこのB♭の音は「ベー」と呼ぶ人も多いと思います。ホルンのB♭管も、「べーかん」と読む人がほとんどです。
実はこの「ベー」はドイツ語読みで、正式には「B」と書きます。
英語のBは、♭(フラット)が無いただのシになるので、半音高い音になります。とてもややこしいので、間違いを起こさないために英語表記でB♭と書くことが多く、読む時はドイツ語の「ベー」と読む人が多い、ちょっとフシギな世界です。
STEP3-1.シングルホルンの人は、自分が何管か知ろう
シングルホルンとは、F管かB♭管どちらかひとつの管が付いている楽器です。
※自分の管がわかっている人は、STEP4に進んでください。ほとんどの人は、教えてくれる先パイや先生がいると思うので、ここから先の説明は、誰も教えてくれる人がいなくて自分一人で何管か見つけなきゃいけない!って人用です。
さて、ホルンは管によって指使いがちがいます。
シングルの人は、まず自分の楽器がFとB♭どちらの管なのかを調べましょう。
【チューニングB♭の指使いが分かっている人】
・チューニングする時に1番(人差し指)で吹いている人→Fシングル
・チューニングする時にレバーを何も押さないで吹いている人→B♭シングル
【チューニングB♭の指使いが分からない人】
チューナーを使って、自分が出している音が何かをチェックしながらやりましょう。何も押さないでホルンを吹いてみて、出た音で判断(はんだん)します。
【チューナーの使い方】
スイッチを入れたら、まず『CALIB』もしくは『キャリブレーション』と書いてあるボタンを使い、ピッチを『442Hz』にしておきましょう。これ、とっても大事です!初めから『442Hz』になっている場合はそのままで大丈夫です。(詳しいチューナーの使い方も後日やりますね)
それでは、何も指を押さないで吹いてみましょう。
管によって、出る音がちがいます。
・チューナーにCやFやAの音が表示(ひょうじ)される
→Fシングル
・チューナーにDやFやB♭の音が表示される。
→B♭シングル
(※他の音も出ますが、初心者がまず出る音はこの辺が多いので、今回はこの3音にしぼりました)
ややこしいことに、F(ピアノのファ)は、何も押さないでどちらの管でも出てしまいます。Fしか出せない人は、ちょっとがんばって他の音を出して判断しましょう!できればB♭かCのどちらかを出すのがオススメです。
STEP3-2.ダブルホルンの人は、押しFか押しB♭かを知ろう
ダブルホルンは、4番レバー(親指のキー)でF管とB♭管を切りかえます。
・4番レバーを押すとF管になる人は押しF
・4番レバーを押すとB♭管になる人は押しB♭
と呼びます。
※自分がどちらかわかっている人は、STEP4に進んでください。ほとんどの人は、教えてくれる先パイや先生がいると思うので、ここから先の説明は、誰も教えてくれる人がいなくて自分一人で見つけなきゃいけない!って人用です。
それでは、自分の楽器が押しFか押しB♭か調べましょう。
【チューニングB♭の指使いが分かっている人】
チューニングする時の指が、
①1~4番レバーまで何も押さない→押しF
②4番レバーだけ押す→押しB♭
③1番と4番だけ押す→押しF
④1番だけ押す→押しB♭
この4パターンに分けられると思います。
①と②の人はB♭管を使ってチューニングしていることになります。
③と④の人はF管を使ってチューニングしていることになります。
【チューニングB♭の指使いが分からない人】
チューナーを使って、自分が出している音が何かをチェックしながらやりましょう。何も押さないでホルンを吹いてみて、出た音で判断(はんだん)します。
【チューナーの使い方】
スイッチを入れたら、まず『CALIB』もしくは『キャリブレーション』と書いてあるボタンを使い、ピッチを『442Hz』にしておきましょう。これ、とっても大事です!初めから『442Hz』になっている場合はそのままで大丈夫です。(詳しいチューナーの使い方も後日やりますね)
それでは、何も指を押さないで吹いてみましょう。
・チューナーにDやFやB♭の音が表示(ひょうじ)される。
→押しF
・チューナーにCやFやAの音が表示される。
→押しB
(※他の音も出ますが、初心者がまず出る音はこの辺が多いので、今回はこの3音にしぼりました)
ややこしいことに、F(ピアノのファ)は、何も押さないでどちらの管でも出てしまいます。Fしか出せない人は、ちょっとがんばって他の音を出して判断しましょう!できればB♭かCのどちらかを出すのがオススメです。
STEP4.そもそも○管って何?
さて、ここまでたくさんF管やB♭管と言ってきましたが、 そもそも○管ってどう意味でしょうか?
(1)管楽器には、移調(いちょう)楽器というものがある
移調楽器とは、その楽器固有のドの音が、実音(じつおん)のドの音とちがう楽器のことを指します。
【実音とは】
簡単に言うと、ピアノの音名(おんめい)のことです。
ピアノは、譜面のドを弾くとドの音が鳴ります。
移調楽器は、譜面のドの音がピアノのファだったりシ♭だったりします。
楽器ごとにドの音がちがうのです。
色んなドを持つ楽器が、「ドの音吹いて」と言われて、いっせいに自分のドの音を演奏したら、音がぐちゃぐちゃになってしまいます。
みんなで同じ音を出したい場合は「実音のドを吹いて」と言えば良いのです。
すなわち実音とは、世界中で通用する英語のような、音楽界の共通言語みたいなものです。
また、実音はドイツ語を使うことが多いです。なぜならイタリア語のドレミは自分の楽譜の音を読む時に使う人が多く、それと間違わないようにするためです。
ややこしいのでこの話はまた今度。。。
管楽器は、穴を全部ふさぐか、逆に何も押さないと、その楽器のドの音が鳴ります。その音で、その楽器が何管か決まります。
わかりやすく、リコーダーを例に考えてみましょう。
小学生で習うソプラノリコーダーは、穴を全部ふさぐと、ピアノのドの音=実音C(ツェー)が出ます。つまり、ソプラノリコーダーはC管「ツェーかん」ということになります。
中学生で習うアルトリコーダーは、穴を全部ふさぐと、ピアノのファの音=実音F(エフ)が出ます。つまり、アルトリコーダーはF管「エフかん」ということになります。
(2)ホルンはF管(こっそりB♭管も使ってる)
ホルンの楽譜は、特に吹奏楽では、左上に「in F」と書かれている楽譜が多いです。これは、「この楽譜のドの音は実音Fだよ!」という意味です。
長いホルンの歴史で、「ホルンってF管がいちばんいい音がするね」という考えがメインの時代があり、ホルン=F管になりました(※諸説あり)。しかしF管だと、高音が少しむずかしかったので、もっと高音がラクに吹けるB♭管をくっつけて、ダブルホルンが生まれました。そして現代はそのラクなB♭管をメインに使う人が多くなりました。つまりB♭管は、F管と思われているホルンがこっそり使える、便利な管なのです。
こっそりB♭管を使うけど、他の人に「ホルンは何管?」と聞かれても、「ホルンはF管」と答えましょう。
B♭シングルを吹いている子も、in Fの楽譜を使うと思うので、楽器はB♭管ですが、ホルンのドレミで楽譜を読む人が大多数ですし、その方法で読むことをオススメします。
「え?B♭管なのにF管のドレミで読むのイミわかんない…」という人へ
アルトリコーダーの授業を思い出してください。アルトリコーダーはF管ですが、授業でin Fの楽譜なんて読んだ覚えないですよね?
【アルトリコーダーは左手の指だけ全部押さえる=ド】と習ったと思います。
これは、F管のアルトリコーダーを吹いているけど、楽譜はC管ソプラノリコーダーと同じドレミ=in Cで読んでいるからなのです。
ホルンも一緒です。
B♭管ホルンも使って吹いているけど、楽譜はF管ホルンと同じドレミ=in Fで読むのです。
in B♭のドレミやin E♭のドレミで指使いを覚えた子に多いのですが、たまに、大学生になっても、inFの譜面をわざわざin B♭やin E♭読みかえて吹いてる子もいました。特にトランペット(in B♭)やアルトホルン(in E♭)からホルンにうつってきた子に多いです。
別にそれでも、苦労せず吹けるなら無理には止めません。
ただ、これから覚えるなら、ぜひ【ホルンのドは実音F】【チューニングのB♭はホルンのファ】と覚えてください。
最後までご覧いただきありがとうございました♪
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【次回予告】
「チューニングのじゅんび。抜き差し管を抜いてみよう」
〜抜き差し管を曲げないために、抜き方、差し方、教えます
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