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桜丘中学校ミライへのバトン~選びたくなる公立学校とは

校則を一切なくしたことで有名な世田谷区桜丘中学校の西郷校長先生の登壇する講演を聴きに行ってきた。

今回の講演は、桜丘中学校に通う子供たちの保護者が企画運営。昨年の開催よりも規模を大きくして1000人超の予約があったそうだ。

講演には西郷校長先生の他に、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹先生、麻布学園理事長の吉原さん、ファシリテーターとして世田谷区長の保坂さんが登壇。どの方の言葉にも共感することが多く、今後の息子たちの学び方、育ち方の選択にも参考に出来ることがたくさんあった。

西郷校長から桜丘中学校の紹介

桜丘中学校には校則がない。みんな好きな格好で登校してくる。挨拶は手をふることw
地域の方の協力で校内はFree Wi-fi がある。教室に入れない子達は廊下に机が沢山置いてあって、そこで自由に学んだり、好きなことをしている。時には麻雀をやりたいと持ってきて、副校長も一緒に麻雀を楽しんでいる。

子どもたちの『やりたいこと』
を探し出して、
それをやれる環境を整えるのが大人の役割

インクルーシブ教育を実践している桜丘中学校の西郷校長先生。

インクルーシブ教育とは、一人残らず全ての子供たちが3年間を楽しく過ごすこと

と定義し、それを目標にしている。
『一人残らず』というのがポイント。
クラスではなく、みんなではなく、一人一人を個別にみていくこと。
桜丘中では、教室に入れない子達は廊下のスペースで自由に学んだり、好きなことをしている。それをまるごと受け入れる。

先生は、大人は、
子供たちと共に自分の人生を『生きる』
感覚を持って3年間を過ごす。

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麻布学園理事長吉原さん

企業も学校もルールや規律を作って、数字で管理するということやってきた。その方が効率がよく、結果が出せていた時代があったから。でも今はこのままじゃまずい、と変革が起きている。なのに学校はまだ変わらずそのやり方が残ったままだ。

尾木ママ

中学から高校へと上がる多感な時期に、子供たちを分断するような受験があるのがおかしい。もっとのびのびと育つ権利が子供たちにはある。
自分の興味のあることを学ぶ探求型学習や、その子のペースに合わせた学び方でこそ、これから必要になってくる非認知的な能力が育っていく。
印象的だったのは、『子どもの権利』について主張していたこと。

大人たちは、もっともっと子どもの声を聴かなければいけない。
迷ったら、子どもに聴いてみたらいい。
相談して一緒に考えてみたらいい。

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世田谷区長保坂さん

2年前にできた、教育機会確保法をもとに、世田谷区の公設民営のフリースクールを設立した。希望者が多く、受け入れが間に合っていないのが問題になっている。
ドイツやフィンランドでは、ある一定の人数の親が集まれば、国は公設で学校を作らなければいけない、という決まりがある。すると、宗教系、オルタナティブ系、最先端系、など多様な学校が開かれる。その中から自分に合った学校を選べばいいし、なければ親たちで声を上げて作ることができる。そうしていくと、そもそも不登校という認識がなくなっていく。

どんな学校なら行きたいのか、
どんな学校を求めているのかを
具体的に私たちが声を上げ、
賛同を得ることで変えることができるのが民主主義だ。
文科省から、上からの決定で教育が変わるのではなく、親の声、子どもたちの声、
現場の先生たちの声を上げてほしい。

という力強い言葉に勇気付けられた。

私がおもうこと。

凄く新鮮で希望のもてるお話をしてくれた今回の登壇者たち。そしてその話を聴きに来る多くの保護者たち。確実に学校に対する感覚は変わってきているのを感じた。

実際に桜丘中を見学した友人は、
『西郷校長先生の子供たちへの接し方は素晴らしかったが、各クラスの授業をみると、英語以外は旧来の授業スタイルで、興味を持てない子も多く、先生たちによってばらつきがあるように感じた。』
と話していた。

そもそも、旧来の学び方をベースにしている学校はこれからの学び方としてはかなり遅れているのだろう。
とはいえ、誰もが自分の家の近くから通える場所にある公教育の学校が子どもの権利をしっかり守り、安心して通える場所であったら、たくさんの親子のセーフティネットとしても機能するだろう。
大きな転換はすぐには期待できなくても、それぞれの場所から、自分の声をあげていくことで変えていくことはできないか。

桜丘中の西郷校長先生の取り組みは素晴らしいけど、息子がそこに行くとも限らないw
そして学校が変わるのを待っている間もなく、日々成長していく。今の状況だと、親がかなりの負担をして、我が子に寄り添い、勉強をして選択肢を探している状況だ。
うちの場合は、息子の『学校に行きたくない』からはじまり、家庭状況を調整をして、共働きでホームスクール、という形を選択している。きっとこれは、息子の成長や親の働き方、経済状況により変わっていくだろう。

みんなと同じペースで同じ場所で同じことを学ぶことに馴染まない子供たちや、それを支える親や大人を社会が受け入れ、子供の学び場や育ち方の選択肢が増えていくことは、社会がより生きやすく、変容していくことに繋がるのではないか、と思った。

もっと人は、自分の心地よさの感覚を大事にして、何にも蓋をせずに
生きていいんだと思う。
生きたいんだと思う。

目の前にいる息子たちは、毎日大声で笑い、正直に怒り、思い切り泣き、自由自在に身体を動かし、好きなときに踊ったり歌ったり創ったりしている。

彼らがそのまま元気に成長していってくれること、そのためには『今』を目一杯楽しむことしかないんじゃないかと思っている。

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