「とはいえ」の先へゆく(著書『トワイエ』増刷のお知らせ)
おしらせです。
2024年4月、初めて「紙の本」として出版・発売した詩集『トワイエ』を、増刷することになりました。
受け取ってくださった方、
本当に、
本当にありがとうございます。
見つけてくれて、ありがとう。
*
増刷にあたり、『トワイエ』について
思いと祈りをすこしだけ。
この詩・短編集は、
全部の世界線の自分を救いたい、
という思いで、つくりました。
全部の世界線の自分、というのは、
過去、未来、今、
今と別の選択をしていた自分、
すべての時間軸、可能性を含んだ自分
のことです。
どこで、誰と、どんなふうに生きていても、
たとえ今が不幸でも、絶望していても、
あなたは大丈夫だと、言いたかった。
どんなふうに生きていても、
わたしはあなたを肯定すると、
伝えたかった。
それは、かつての自分が一番ほしかった言葉であり、
何かを選択するたびに、求めていた言葉でした。
私はずっと、生きていることをゆるされたかった。
それをゆるしてくれないのはいつだって、自分自身でした。
だから、『トワイエ』を書きあげることは、
自分をゆるしていく過程でもありました。
*
私には、誰かを救うとか、世界を救うとか、
大層なことは、言えません。
私を救うのが私であるように、
あなたを救うのはあなたです。
私の本を読んで、
救われたと言ってくれたあなたには、
「あなた自身に、救われる力があるからだ」
と言いたい。
それでも、
私は、あなたに救われていてほしいと思う。
これは、ただのエゴです。
人生が重ならなくても、
会うこと、触れることはできなくても、
この世界で、時々どうしようもなくて、時々美しい世界で、
一緒に生きていくことはできる。
全部の世界線の自分を救うことは、
全部の世界線のあなたを救うことと、
すこし、重なっているのかもしれないです。
*
とはいえ、
救われない夜は訪れます。
世界を愛せない瞬間だって、
誰かを呪いたくなることだって、
いくらでもある。
とはいえ、
私たちは、生きていかなければならない。
死ぬまでは、このいのちで、生きていかなければならない。
仕事に忙殺されたくない、とはいえお金はほしい。
一人で生きたくない、とはいえ誰かと生きるのは難しい。
無理しない、とはいえ頑張りたい。
死にたい、とはいえ幸せになりたい。
あなたの「とはいえ」の瞬間に、
寄り添えるような本であれたらうれしい。
あなたにとってこの本が、
「救い」の1ピースであればうれしい。
ぜひ、お手に取っていただけたら幸いです。
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『トワイエ』を置いていただいている書店さまには、順次ご連絡をしたいと思っております。すこし時間がかかるかもしれませんので、もし入荷を希望してくださるようでしたら、ご連絡いただけますと幸いです。
そして、新たに仕入れをご検討してくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご連絡いただけたらうれしいです。
私もあなたも、救われながら生きていけますように。
本を通じて、ちいさな祈りを。
2024.10.1 夕空しづく