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つれづれなるままに呟く

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ひとりごちるは藍の夜
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#小説家

架空のドラマの最終話

ながい夢をみた。 起きたときはまだ余韻のなかで、はやく感想をしたためよう、タイトルはなん…

選挙に行けなくて泣いていたわたしへ

大切な(とても個人的な)〆切が迫り、 最近は朝も昼も夜もずっと、原稿を書いていた。 今日…

「とはいえ」の先へゆく(著書『トワイエ』増刷のお知らせ)

おしらせです。 2024年4月、初めて「紙の本」として出版・発売した詩集『トワイエ』を、増刷す…

自分に決められないことばかりで、でも決めねばならなくて、生まれることも死ぬことも、自分で…

飯田橋で、一度だけ出会ったあなたへ

こんなわたしにも、就活生だったころがある。 当時のわたしは、漠然と東京に行きたかった。東…

創作にはAIじゃなくて、愛が必要だよ

最近、AIの話題ばかりで、心が疲弊しきっていた。正直にいえば、半分、絶望していた。 どれだ…

桜桃忌 2024

桜桃忌だ、と思った。 仕事中、キーボードを打ちながら、思った。 しばらく、『人間失格』を読んでいない。 *** 太宰治を思い出すとき、私は「修治さん」と呼ぶ。 すべての本を読み、論文を読み、五所川原へ行き、三鷹へ行き、それでも私は、太宰治の、津島修治の、絶望に触れることができなかった。触れられた、と気がしたこともあったが、それは大抵自身の絶望を、彼に投影しているだけだった。彼が、何にくるしんでいたのか、何がさみしくて、何に耐えられなかったのか、どこまでがほんとうでど

洗っても洗っても、書いても書いても。

洗濯、をしていると、私はいま、ちゃんとできている、と感じる。汚れた服を、あるいは、汚れた…

日々断片蝶々

東京にいた頃に書いた短編小説を、すこし、書き直した。 あの頃の私を消さないように、あの頃…

自己表現、という呪い、あるいは

noteに自分のことを書くのが、ひどく、こわくなってしまった。本業でもライフワークでも、文章…

こぼれ落ちていく4月

葉桜の頃、東京へ行った。 ビルを背景に、散りかけの桜を見た。 人がたくさんいて、にぎやかく…

生きるための遺書【書籍『トワイエ』を発売します】

「とはいえ、私たちは生きていかなければならない」 止まらない不景気。匿名の悪意。伝わらな…

いつか、全部おわるとして。

東京にいたころ、発狂する勢いで文章を書いていた。 一銭にもならない、かたちにもならない、…

あなたを迎えにいく日まで

年末、というのはどうしてこんなにも、 人生を直視せざるを得ないんだろう。 あの頃のわたしが生きていた部屋で、 ひとり呆然と、時計を眺めている。 人間がつくりだした概念の手のひらで、 私たちは否応なく、 「来年」というものに向かわされている。 小説家になりたかった。 小説家になれなかったら、 私の人生に意味などないと思っていた。 書いて書いて書いて書いて、 40分に一本しかない電車を待って、 家出して絶望してへらへらして、 泣きながら書いて書いて書いて書いて、 ここま