日々断片蝶々
東京にいた頃に書いた短編小説を、すこし、書き直した。
あの頃の私を消さないように、あの頃の純度を損なわないように。
最近、猫が後ろをついてくる。一緒に逃げてしまおうか。
誰にも見つからないところで ふたりで暮らそうか。
本を梱包しているとき 祈りにちかい気持ちになる。
私だけはここにいるからね、大丈夫だからね。世界と無事に出会えますように。見つけてくれた人 ありがとう。
こわい夢を見た。
死んだら私たちは どこで待ち合わせればいいんだろう 私は地図が読めない。
WALKMANで音楽を聴いた。あの頃のままのプレイリスト。永遠はここにあったのね。化石で音楽を聴く、街から音がすこし消える。私は海のなかにいて、好きだった声を探している。
昨日の月はすこしこわかった こわがってごめんね あなたは何も悪くないよ。
また 詩をつくっている。
生活が苦手だ でも生活は続いていく 自己嫌悪していたら日付が回っていた。洗濯物。洗濯物。
生きている。
あなたは 今日も 無事ですか。無事だといいな また明日。
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眠れない夜のための詩を、そっとつくります。