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つれづれなるままに呟く

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ひとりごちるは藍の夜
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記事一覧

架空のドラマの最終話

ながい夢をみた。 起きたときはまだ余韻のなかで、はやく感想をしたためよう、タイトルはなん…

秋めいた微熱

秋めいた線香の匂いをたどる。 息切れ。 やけに彩度の高い空を、 模倣しそこなった右眼。 霜…

選挙に行けなくて泣いていたわたしへ

大切な(とても個人的な)〆切が迫り、 最近は朝も昼も夜もずっと、原稿を書いていた。 今日…

「とはいえ」の先へゆく(著書『トワイエ』増刷のお知らせ)

おしらせです。 2024年4月、初めて「紙の本」として出版・発売した詩集『トワイエ』を、増刷す…

自分に決められないことばかりで、でも決めねばならなくて、生まれることも死ぬことも、自分で…

飯田橋で、一度だけ出会ったあなたへ

こんなわたしにも、就活生だったころがある。 当時のわたしは、漠然と東京に行きたかった。東…

概念

概念でいたい、 と、ずっと、思っていた。 ことばを使って表現をするとき、肉体はどうしてこんなにも邪魔なんだろうと、思っていた。 わたしが男性でも女性でもどちらでもなくても、17歳でも25歳でも48歳でも81歳でも、その作品はその作品でしかないのに。作品はどうしても、わたしが持つ身体性と、結びつけられてしまう。 とはいえ、切り離そうにも、切り離せない。わたしのなかから生まれる表現は、一度、わたしの肉体を通っているのだから。わたしは、完全な概念にはなれない。わたしという生

創作にはAIじゃなくて、愛が必要だよ

最近、AIの話題ばかりで、心が疲弊しきっていた。正直にいえば、半分、絶望していた。 どれだ…

桜桃忌 2024

桜桃忌だ、と思った。 仕事中、キーボードを打ちながら、思った。 しばらく、『人間失格』を…

洗っても洗っても、書いても書いても。

洗濯、をしていると、私はいま、ちゃんとできている、と感じる。汚れた服を、あるいは、汚れた…

日々断片蝶々

東京にいた頃に書いた短編小説を、すこし、書き直した。 あの頃の私を消さないように、あの頃…

自己表現、という呪い、あるいは

noteに自分のことを書くのが、ひどく、こわくなってしまった。本業でもライフワークでも、文章…

こぼれ落ちていく4月

葉桜の頃、東京へ行った。 ビルを背景に、散りかけの桜を見た。 人がたくさんいて、にぎやかく…

生きるための遺書【書籍『トワイエ』を発売します】

「とはいえ、私たちは生きていかなければならない」 止まらない不景気。匿名の悪意。伝わらない感情、無責任な格言。終わらない戦争と果てのない孤独。救いのない満員電車。前向きなことばばかり光を浴びて、弱音や孤独は沈殿して。幸せになりたいのに、幸せの定義すら曖昧で。 とはいえ、 私たちはこんな世界で、 死ぬまで生きていかなければならない。 だから、 本をつくりました。 *** むかし、遺書を書いたことがあります。 あの頃の私は、今でも到底言語化できない、おそらくこれからも