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星窓茶花教室-皐月-
皐月の茶花教室は、昨年の6月に行った
「生活と工芸の茶花II」ということで、各自が私物で使っている花器をお持ちいただき、洋花薔薇や芍薬を課題花に、自由に入れてもらいました。
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声に出して読んでもらいながら、茶花への理解を
深めていきます。
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瞬く間に咲いていき、茶室内がいい香り
〈一瓶に宇宙をあらわす〉
花道の世界観を背景に茶席へと
意図的に持ち込まれた茶花
今回は少し難しい論理である花矩論や、池坊専応口伝なども取り上げましたが、茶花が床の花として想定され、同時に最小限に削ぎ落とされたからこそ、明治近代化のいけばな隆盛のなかでも、ひっそりと茶席の花として生き残ったのではないかと。
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生徒さん同士で、観賞しながら語り合う時間
今回は、床の間はもちろんのこと、玄関と床脇の棚の3箇所に茶花をおけるという想定で、それぞれ3回生けてもらいました。
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星窓茶花教室のモットーは、それぞれの生徒さんが選んだ花材は変えたり、加えたりをせずに手直ししています。
上記は、ぜんぶ手直し後ですが、元の使った花材は黄色薔薇以外は、そのままの取り合せです。
黄色い薔薇は、薔薇だけだったところに、一本だけ線を加えました。
花器が直線的なものは、直線的なの花材を添えたりするなど波長を、花と花器が寄り合うように気をつかってみるといいかと思います。
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入ってきた時の視点、真正面、帰る時の視点
この三方向が見える場合
特に時間の変化などにも気を配るといいと思います。
この芍薬は、花を入れている際に、
最後の最後で散ってしまいました。
「どうしよー!」という生徒さんに
「とりあえず玄関に置いてみましょう」ということで
合わせて入れていた黄色い薔薇が玄関側に入れていたので
それを抜いて
3輪を葉付きの1輪だけにして
左側(玄関からは見えない位置)の奥に
ひっそりと入れました。
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これしか見えず、左側の
薔薇には気付きませんが
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ちらっと黄色の花があることに気づく。
ぜんぶの芍薬が落ちたあとにも
この白い花器(自然の世界)には
生き生きとした黄色の薔薇が咲いている。
終わっていく世界の側に
盛りがあり、その更に足元には
これからの未来がある。
茶花という世界が、シンプルに
それとなく自然に、作意を作為過ぎないように
そこに馴染んでいるかのように
そっと何かを忍ばせる心づもりによって
あとは、見る側に委ねるという他者への信頼と
補完する想像力への日本人の特異性が
育まれる場
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弥生土器風の火入れを花入に見立てて
首の重たくなった赤い薔薇を少し前傾に入れた
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手直しの視点は、瓶の口と一番近い葉の距離と
全体の葉っぱの角度(陰影)の表情を大事に
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薔薇のお菓子💐とお抹茶
来月水無月の茶花稽古日
6月15日(水)-19日(日)
9:30- / 13:30-
※いずれも3時間ほど
現在2時間半
【お申込み】
hoshimado.120707@gmail.com
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自分でまずは生けてみた茶花を観賞中
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