赤井紫蘇

詩を書いたり読んだりするのが好きです。将来の夢は幽霊。

赤井紫蘇

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最近の記事

【メモ】私はどうしてタトゥーを入れるのか

突然ですが、タトゥーが好きです。 これまでもワンポイントのデザインをいくつか入れていましたが、先月末から上半身全体を使ったデザインを彫ってもらっています。 ㅤ これを機に「どうしてタトゥーを入れるのか」について言語化しておきたいなと思ったのですが、上手くまとまらないためメモ書きを残します。 ㅤ (今後うっかりタトゥーがチラ見えしてしまい怖い思いをさせてしまう方がいたらそれは大変申し訳なく、 せめてものお詫びにタトゥーに対する自分の思いをここに記しておきたい、という思いもありま

    • 【雑記】麝香猫のコーヒーについて

      最近知ったこと。 麝香猫の体内で発酵されて作られるコーヒー豆の製造過程。 どうやらコーヒー豆を食べた麝香猫の糞から豆を採取して、 乾燥させたものを焙煎してコーヒーにしているらしい。(微妙に違うかも) これまで「麝香猫の糞」そのものに何らかの処理を加えたものを 「コーヒー」と名付けているのだとばかり思っていたので驚きました。 人間って倒錯しすぎじゃないですか。 糞から豆を採取するって。いやいや。 うんちをコーヒーにしてるほうがまだましだと思う。 「私、うんちをコーヒーに

      • 【詩】なれたらいいのに

        わるいゆめをみないように いつかわるいゆめになれるように なれるってだれが?わたしが たとえば道の途中 曲がり角 突然出てきた おおきなわるいゆめに 喰われる あとかたもなく 消える すなあらしだけのこして 消える だれが?わたしが いっそのこと わるいゆめになりたい 後書きから読み始めるような 明確に踏みにじられた わるいゆめになれたらいいのに

        • ももがだいすき うすーく切って お皿にならべて あたたかい紅茶 せっかくなら たくさんの果物の中から もものこと選びたい せっかくなら どこまでももを好きか 服を脱いでたしかめてみたい おいしいものすべて ももと名付けたい あのもも このもも あのこも このこも

        • 【メモ】私はどうしてタトゥーを入れるのか

        • 【雑記】麝香猫のコーヒーについて

        • 【詩】なれたらいいのに

        • ももがだいすき うすーく切って お皿にならべて あたたかい紅茶 せっかくなら たくさんの果物の中から もものこと選びたい せっかくなら どこまでももを好きか 服を脱いでたしかめてみたい おいしいものすべて ももと名付けたい あのもも このもも あのこも このこも

          【詩】おひるねの匂い

          黒い犬と暮らしています 体は真っ赤で まゆげは白いです 緑色に鳴くたびに 耳元で小さな風が吹きます お腹に鼻をうずめると おひるねの匂いがする 君から私はどんな風に見えてるのかな だいすき!って言われたい 君といるといつもカーテンが揺れて 世界がおひるねになる

          【詩】おひるねの匂い

          【日記】グミ20袋を3日で食べ切ったし

          ハマったらそればかり食べてしまう性質だ。特に、ここ数か月の食生活は本当に終わってる。グミ20袋を3日で食べ切ったし、マーピー(というなんか辛くて美味しいピーナツ)10袋セットを1週間で空にした。マーピーの袋の底に沈んでいた唐辛子は辛麺(日清から出ているとても美味しいインスタントラーメン)に混ぜて食べた。その辛麺も何個かセットで買ったものだ。ミレービスケット(1袋1000kcalするらしい)を1日2袋食べたりもした。 数年前、まだ自炊をするつもりがあった時はカレーやおでんを1

          【日記】グミ20袋を3日で食べ切ったし

          【詩】病院の待合室で

          病院の待合室でだらけた座り方の人 スマホ見ながらぶつぶつ言ってる   私は隣に座って読みかけの本を開いた この人の隣にいると まるで私がしっかりした人みたい   あっちの壁にかけられた絵は 誰が描いたものだろう 灰色のコンクリートに 色とりどりの鳥の糞がぶちまけられている   どこからか虫が飛んできて そこらじゅうを回りはじめた 隣の人はスマホを置いて肘を掻いている ずっとずっと掻いている 掻けば掻くほど漂ってくる 人間の汗と皮膚の臭いが 「誰のことも憎むなよ」と 鬼の形相で

          【詩】病院の待合室で

          【詩】白い手のひら

          安心して眠るために夜な夜な ネットで悲惨な事件を調べているあなたへ 私はあなたを見ているよ 口に含んだレモンサワーをゆっくり飲み干す瞬間 愛してるよと握手させてよ 好きな時間に起きて 薄暗くなったらシャワーを浴びて 近所の河原を散歩しよう もしお祭りをやっていたら 綿あめを食べよう 体なんてないかのようにふるまう 夏の風があなたに絡まる 白い手のひらが 何かを掴もうとして やっぱりやめて 来た道を戻っていく

          【詩】白い手のひら

          ごきぶり こわい 何処にでもいるから ごきぶり みつけたら この目の中にも まっくろな はおと カサコソ棲みつく この目で見たもの すべてになれる 円形のステージ あけがたの みずうみ すみれいろに ひかる じょおうさまの かんむり まっくろな めのおく 触手を 伸ばして

          ごきぶり こわい 何処にでもいるから ごきぶり みつけたら この目の中にも まっくろな はおと カサコソ棲みつく この目で見たもの すべてになれる 円形のステージ あけがたの みずうみ すみれいろに ひかる じょおうさまの かんむり まっくろな めのおく 触手を 伸ばして

          箱の中身は何だろな ずぼっと手を入れてみて ザリガニ 綿あめ 砂嵐 憎しみ 憎しみ 真っ赤な茎 私は私の願いごとを叶えてはくれないから 呪い疲れた赤ちゃんおくるみ 歯の欠けた多肉植物 ベランダで蝉が死んでいる

          箱の中身は何だろな ずぼっと手を入れてみて ザリガニ 綿あめ 砂嵐 憎しみ 憎しみ 真っ赤な茎 私は私の願いごとを叶えてはくれないから 呪い疲れた赤ちゃんおくるみ 歯の欠けた多肉植物 ベランダで蝉が死んでいる

          【詩】永久歯

          ああ今おしっこしたいなって 体が言っている時に ああ今おしっこしたいなって 体が言っているその時に 私は頬を強くたたき 歯ブラシでお経を唱えて もっと苦しめ~と呪いをかけた しゃかしゃかしゃか オッオッオッ もっと苦しめ~ もっと苦しめ~ もっと苦しめ音頭がつづく 縄文から弥生まで 西から東まで 乳歯から永久歯まで めぐる体をめぐる 舌を伝って這い出るホゾシタ 願ってもないのに年を取るし そのうち死んでしまうし 体は私の中でいちばん他人だ 晴れの日、砂紋と海、まるい

          【詩】永久歯

          【詩】棒アイス

          目が覚めたら ぐぐぐぐぐ ぴたぴたぴた 手で確かめると アイスの棒がおでこに刺さっていた びっくりして引っこ抜いたら 棒には赤い文字で「あたり」と書かれてあった 誰がそんなこと決めたんや むしょうに腹が立ってくる 公営住宅当たれ 宝くじ当たれと 思って生きているけれど 誰か知らんやつに「あたり」とか言われる 筋合いはないような気がしてきて 舐めんなよ ひとこと言ったらぁと 長距離バス乗り継いで おかあちゃんが生まれたおじいちゃんちの 今はもうない扉を開けて 今はもうない畳

          【詩】棒アイス

          【詩】トローチ

          裏山のあの辺に水晶がたくさん落ちているらしい 拾ってバリボリ食べてみたいね 喉痛くないのに舐めるトローチ 変声期に失敗したぼくたち 本気で生きてきたから本気でぶっ壊れてしまった まるで青いレーザービームの影法師 君、いつかどこかの駅のホームに 飛び込んでくれないか 僕の代わりに

          【詩】トローチ

          【詩】山の母

          仁王立ちで嵐の上に立つ わたしは山山山の母 乳だって垂れていたい うんちが出ずに悶える犬の 尻を舐めてやりたいんだ そして胸がギュッとなる時ほど 堂々としていよう 左から来る苦しみを 右手でかわして本を読もう ピンク色の壁紙が 資本主義の玄孫が 汽車の窓から手を振っている

          【詩】山の母

          【詩】わたしたち

          何度も同じページをめくるみたいに 爪でぎりぎりと痛めつけて 腫れあがった心のしこり わたしたち、という無縁仏 実家の墓じまいの計画を練りながら 使い古された夢の扉を開く よその国で使われるらしい安楽死の薬が わたしたち、にとっての暮らし 扉の向こうでは歯がぽろぽろ抜けて 子どもの頃住んでいたアパートの外階段を ゆっくり落ちて、落ちていく 一度も会ったことはないけれど 電車の向かい側でいつか 視線を交わすかもしれません わたしたち、きっと一人じゃないですね 何度も何度も

          【詩】わたしたち

          【詩】タチアオイ

          生きてく生きてく生きていく なんでなんで生きていくのか 100均で買った便利グッズ捨てて また100均で新品を買う パンチ一発命消せるピックで 真っ赤なタチアオイ奥まで突き刺す 人生を台無しにしそうな昼下がり 道にぐちゃっとなっている 主に赤茶や黒の物体が どうか猫や鳥ではありませんようにと願う いっぽう足元から影を伸ばした私は もっとグロテスクなものが見たいと 目を爛々とさせている どちらも強烈な本心だったから 季節が巡る限り希望が生まれ続けてしまう この世のシステム

          【詩】タチアオイ