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[本・レビュー] おろしてください

おろしてください 有栖川有栖/市川友章 出版社  岩崎書店


夢であろうと現実であろうと、行き先のわからない列車には...乗ってはいけない


圧倒的なビジュアルで、"子供たちの柔らかな魂を揺さぶり、視えない世界への畏敬の念や未知なるものへの憧れを育むような、かつてないコンセプト"が売りの<怪談えほん>シリーズ
揺さぶりすぎて、トラウマにご用心


ふと道に迷い、見慣れない駅にたどりついた一人の少年。
駅員さんが来たら行き先を聞いてみようと、安易に電車に乗り込んだ少年を待ち受けていたものとは。


みなさんは、<怪談えほん>シリーズなるものをご存知でしょうか。


興味をもたれた方は、特設サイトがあるので検索されてはいかがでしょうか。


そのサイトから抜粋させていただきます。


 "2011年10月、宮部みゆき+吉田尚令の『悪い本』を第1回配本として、岩崎出版<怪談えほん>シリーズは、呱々の声をあげました。
 会談や幻想文学の第一線で活躍する作家たちと、ベテランから新進まで異彩を放つ作風で実績ある画家たちとが相携えて、子供たちの柔らかな魂を揺さぶり、視えない世界への畏敬の念や未知なるものへの憧れを育むような、かつてないコンセプトの絵本を生み出したい!―監修者と編集者たちの熱き思いに始まった企画でした。
 それは同時に「恐怖や怪異を主眼とする絵本」に対する根強いタブー意識への挑戦でもありました。おりしも当時の日本は震災後の混沌とした状況下にあり、こうした野心的試みがすんなり受け入れられるのか、不安を抱えた出立となったわけです。
 けれども幸いなことに<怪談えほん>は、発売直後から大きな反響を呼び、全国各地でトークイベントや朗読会、原画展が開催され、子供から大人まで幅広い層に愛される、息の長いシリーズに成長していきました。"


 表紙にその一端が現れていますが、本書のビジュアルはかなりパンチが効いています。
 大人はともかく、子どもにはかなりの衝撃を与えること間違いなしです。


 "そんな悪いことしたら、あの列車が来るよ"というにはうってつけだと思いますが、ショックが大きすぎて一人でトイレに行けなくなったり、頭を洗う時に目をつぶっていられなくなるかもしれません。


 何歳から読ませていいのかもわかりません。だからといって、「こんな本を作るなんて!」とも思いません。


 まずは子ども達に見せる前に、あなた自身に手に取っていただきたい一冊です。

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