本棚は段ボール Vol.7 『ダンス・ダンス・ダンス 上』/村上春樹
村上春樹さんの作品を、ほぼ初めて読んだ。
「続きを早く知りたい」という感覚を久々に味わった気がする。
出来事の流れと言う意味での物語が面白いと思える本はそうないと思う。人物像が面白いとか、この人がどんな人なのかどんなことをしでかすのか気になるということはあっても、大きな流れとして出来事、出来事でそのひとつひとつが面白いと感じられることはあまりなく、それがこの人のすごいところなのかなと思う。
わかるようでわからない、でもわかる気がするというようなことが結構あるのも、魅力の一つになっていて、その絶妙さは村上春樹さん本人の独特性によるものなのか、あえてその絶妙さを狙っているのかわからないけれど、もし狙っているなら天才だと思う。
わからないけれど考えながら分かろうとして読むものでもなく、多分考えてわかるところでもないから読み進めながらこういうことなのかなあとぼんやりつかんでいく感じもたのしい。
下巻はまだ持っていないので、本屋に行ったら買おうと思う。
本の内容について触れると、主人公はおそらく真面目すぎるし、真面目過ぎて物事の受け入れ方を"考え方が違うだけだ"というように、全てに対して一種あきらめのようなものを持ち、全て受け入れてしまうからこそ、人々が留まらないのだと思った。
自分に似ている部分もあれば、こんな人、いたなあと思う部分もあり、見たことないけどこんな人いそうだなあと思う部分もある、良いキャラ。
急に感情を強く揺さぶられたりしないから、安心して楽しく読めるのも私的ポイントが高い。
下巻、楽しみ!
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