
「人生の壁」に救われた話〜養老孟司さんの本を読んで〜
人生の壁。
これは小さい頃にも、思春期にも、大学生の時も、就活の時も、そしてまさに今も常に自分の周りには立ちはだかっていたような気がしている。
確実に乗り越えたな、という壁もあれば、目を背けてその壁を避けたものもあるし、越えようとして越えられずに一人打ちひしがれたこともある。
私よりもっと達観している方の「人生の壁」って何だろう。
そう思って手に取った本が養老孟司さんの「人生の壁」である。
養老孟司さんの「人生の壁」というよりかは、現代社会を生きる上での障壁や、問題について切り込んで書かれている本であった。
私は生きる上で、何となくの生きづらさを抱えているような気がしていて、その生きづらさにもやもやしていた。
けれど、何でもかんでも生きづらさに変換しちゃあいけんなあ、と感じた。
なぜ生きづらさに変換してしまうのか、と考えるとそれは現代社会への不安や、生き急いでいる自分が見えてきた。それぞれの章に書かれていた「⚪︎⚪︎の壁」はそういった私のもやもやした霧のようなものを少し晴らしてくれた。
これからも私は何度も壁にぶつかっていくことだろう。自分で解決せにゃならん壁もあるし、自分ではどうにもできない社会の壁も多々あることに違いない。
そんな時に、私はあとがきにあった言葉を胸に生きていこうと思う。
(中略)自身について客観的であろうとすることは、自身について、愛情が不足しているということに近いわけです。もちろん、何が何でも生きていたいと思うわけではない。でも何が何でもと思えたほうが話が素直だなあ。そういう気もしてくるのです。
時に自分に素直に。
ぶつかっても大丈夫、と言えるように。
私の修行はこれからがスタートだ。