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(1)人を愛すること…それは小さな自分自身を励ましながら生きていくということ

聞きました…あの女性(ひと)のこと
やっぱりってそんな気がします
私があなたを見つめるそのシーンの中には
いつも あの女性(ひと)がいて
私を憂鬱にさせていたし
友達は知っていたのですね
それで
あの女性(ひと)と私の間で
苦しんでいたんじゃないかと
心配です

あの女性(ひと)とあなたが
どこかで会うってこと…聞きました
あなたは 大丈夫 
好きなんじゃないからと
言うけれど
私が掴めないものを
あの女性(ひと)が
受け取ってしまったようで

思い起こせば
あの頃は
かわいそうなのは私
悲劇の中心は私
そんな風に
卑屈なくらいに思っていたけれど
あなたが自分の上着を
さりげなく預ける相手が
私ではなくて
あの女性(ひと)であることに
嫉妬以上のものを感じていたけれど

ふとした時の
あなたの
私に対するやさしさや
それから
私に対して
何かを返してくれる瞬間を見た時
どこかで
あの女性(ひと)は
涙していたのかもしれません

あの女性(ひと)は
私にだって
あなたのことをさりげなく話して
笑って
あなたともそうで…
それが辛かった私だったのに

友達に聞きました
あの頃
あなたが想っていたのは
私だったって…こと

でも
あなたが私の方を向きかけた時
私は
あなたを見つめ続けた日々から
もはや
遠ざかっていました
想いはあるはずなのに
一歩も進めない私がいました

あなたは
私は他の誰かを好きなんだと
思っていたそうですね
そういえば
一度尋ねられことがありました
私が
言葉もなくついてしまったため息は
悲しい誤解を生んだのでしょうか

私は
あなたを遠ざけようとしていました
あなたが差し出すものを
素直に受け取れない…そんな私でした
そんな自分がイヤで
視線を逸らす私でした

あの日
私が素直になれていたら
こんな結末では
なかったのかもしれません

でも…