本と体重
本が増える。増やしているつもりはない。
最近はなるべく図書館とKindleを利用するようにしているし、買っているつもりもない。先月なんて3冊しか買っていない。いや、3冊買ったのか。無自覚に増える。
なんなら今日また一冊買った。でも文庫本だしこれは誤差だよね。
本を減らそうと断捨離する作業は定期的にしている。引っ越すとき、模様替えをするとき、在宅の仕事に集中出来なくて整理整頓を始めてしまうとき、何だかんだやっている。実際に捨てたという事実はあり、実感もある。だから今うちの本棚にある本たちは、私の断捨離行動に生き残ってきた先鋭である。誇りしかない。のに、減っていない。増えている。減らす数より増やす数の方が多いと増えるという大変シンプルな算数が私にはできないみたいだ。
本を減らすのはシンプルだ、片っ端から手放せばいい。なのにそれが出来ない。
好きな作家さんの本は集めて飾るとふふん!ってなるし、フーリエ変換の参考書や旅関係の本、洋書なんかは特に置いておくだけでインテリアになる。
そうやって言い訳して、溜まっていく。服や化粧品、必要な書類なんかまで直ぐに捨ててしまって困るくらいなのに、本は減らすのが難しい。頑張って管理しないと増える。
まるで体重みたいだ。
増やしてるつもりはないのに、自分に甘い行動が数字に出る。抗うつ剤の副作用だと思い込みたいが、一体どれくらいの割合で薬が原因と言えるのだろう。その他の心当たりがありすぎる。
コロナ禍もあって家から出ない時期があったが、私はずっと家にいるのが平気なタイプだったようで、ゴミを出す時以外玄関を利用しない生活が続いた。
至極当然だが運動量は減り、体重が増えた。
拒食になって美容体重とかシンデレラ体重とか言われるような時期があったのに、今じゃ人生最高体重レベル。
運動したりカロリーも管理しないと、直ぐに太る。管理を辞めたら、知らぬ間に増えている。
食べられなくて痩せていて周りから心配された時の体重が正解だとは思ってないけれど、今が不正解ということだけはわかる。自分にとっての適正な体型体重になるは、ある程度の胆力が必要だ。放っておいたら多分もっと増える。消費するカロリーよりも食べるカロリーの方が多いと太るという簡単な計算が、私はできていない。
とりあえず明日本を整理しよう。明日。今日新しい本を買ったけれど。
明日から体重管理をしよう。今日ピザを食べた後にパンナコッタとティラミスを食べたけれど。
本と体重。人生の垢みたいだ。ちょっとたまにはハンバーガーとポテトを食べちゃおうなんて日を繰り返してぶよぶよになるように、たかが月に数冊などと甘んじているうちに、部屋は本まみれになる。そうやって積み重ねて、気づくととんでもないことになっている。よく勉強の積み重ねの大切さを説かれるけれど、積み重ねって本当にすごいと思う。怠惰も積み重ねると、それはそれは取り戻せない過ちというモンスターを生み出す。
読書の秋と食欲の秋が来ているから仕方ないよね。そのうちスポーツの秋も来るよね。たぶん。
自己管理の秋とか、断捨離の秋とかもないのかな。来て欲しいとか言ってないで自分で作ってくものだよね。はい、やります。明日からね。