【水曜日のしかけ#30】1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』とは
水曜日は上司のマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。
今回から、新シリーズの7秒しかけを紹介します。
その名も1秒フィードフォワード!
知ってる上司もいるかと思いますが、フィードフォワードとは一言で言うと「未来を意識し行動してもらえるよう促す技術」です。
フィードフォワードはフィードバックの逆の意味を持ちます。
フィードバックは過去を振り返って行動を変えていき、フィードフォワードは未来の予測をもとに行動を促します。
フィードバックは素直に受け止めてくれるメンバーには極めて有効ですが、耳の痛いフィードバックを聞きたくないメンバーには言い方を間違えるとマイナスに働くこともあります。
そんなメンバーには、未来を意識し未来に働きかけるフィードフォワードが有効です。
今回、紹介する1秒フィードフォワードの
第2弾は『いつごろ中間チェック必要?』です。
しかけの名前で効果がイメージ出来るかと思います。
具体的には、メンバーへ次のような効果があります。
・メンバーに進捗報告の可否を考えさせられる
・メンバーが進捗報告必要だと判断すれば、その時期を考えさせられる
・中間の進捗報告で上司に評価してもらえる
・中間の進捗報告で進捗や品質が良くなければ上司からアドバイスがもらえる
1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』を既に実践されている上司、素晴らしいです。継続してください。
ここまで読んでもらいありがとうございます。
残念ながら、まだ実践できていない上司はぜひ読み進めてください。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』とは
上司の皆さん、メンバーに所要時間の長い仕事をお願いする時ってどのような対応をしますか?
部下の力量や上司のマネジメントスタイルによって色々な対応があるでしょうが、例えば次のような対応
・メンバーと毎日進捗ミーティングをしフォローする
・メンバーと中間報告日を決め、そこでフォローする
・メンバーに考えて行動させ、しばらく様子を見る
・メンバーから『進捗報告必要ですか?』と問いが来てそこで決める
メンバーの実力、仕事の状況(コストや納期等の制約)によってベストな対応は変わると思います。
未熟でないメンバーには、一度、1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』を試してみてください。
メンバーに進捗報告の可否を考えさせることでメンバーの育成ができます。
具体的にはこんなイメージです。
【中間チェック不要なシーン】
上司:『岡本さん、少し長めの仕事お願いしていいかな?』
岡本:『はい、もちろんです』
上司:『いい返事だね、ありがとう。それでは、XXXXXをお願いいたします!』
岡本:『かしこまりました。すみません、納期はいつでしょうか?』
※納期の確認いいですね!他にも確認する項目は次の記事を読んでください
上司:『8月31日でお願いします』
岡本:『かしこまりました。頑張ります』
上司:『いつごろ中間チェック必要?』
岡本:『うぅーーん、そうですね…』
(しばし沈黙)
岡本:『マネジャー、今回は中間チェックなしでお願いいたします。自分でチャレンジしてみます』
上司:『そうか、それではなしでいこう。つまずきそうになったら声かけてね』
岡本:『はい、かしこまりました』
いかがですか?
今回のシーンではメンバーが中間チェック不要という意思決定をしました。おそらく上手くやれる自信があるのでしょう。
こんなメンバーに上司が1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』を実践していないと、途中で『○○さん、なんで報告しないの!』等と叱ったりしてしまいます。
『いつごろ中間チェック必要?』と問いかけるだけで、お互い無駄なコミュニケーションを取らずにすみます。
次は、中間チェックが必要なシーンを紹介します。
【中間チェック必要なシーン】
上司:『岡本さん、少し長めの仕事お願いしていいかな?』
岡本:『はい、もちろんです』
上司:『いい返事だね、ありがとう。それでは、XXXXXをお願いいたします!』
岡本:『かしこまりました。すみません、納期はいつでしょうか?』
上司:『8月31日でお願いします』
岡本:『かしこまりました。頑張ります』
上司:『いつごろ中間チェック必要?』
岡本:『うぅーーん、そうですね…』
(しばし沈黙)
岡本:『マネジャー、それでは、8月10日に中間チェックをお願いいたします』
上司:『どうして、8月10日がいいと思ったの?』
(しばし沈黙、岡本さん沈思黙考)
岡本:『そうですね、1週間は自分ひとりで考え進めてみたいと思いました。早めにマネジャーにチャック頂いた方が納期と品質が良くなるとは思いますが、今回はチャレンジしたいです』
上司:『そうか、ナイスチャレンジ!さすがだね、よし今回は1週間1人で頑張ってみよう。もし、つまずきそうになったら声かけてね』
岡本:『はい、ありがとうございます』
いかがですか?
今回のシーンではメンバーが中間チェックは必要で1週間後という意思決定をしました。おそらく1週間はひとりでやりたかったんでしょう。
こんなメンバーに上司が1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』をやらずに、
『それでは、3日後1回目のチェックしようか?』等と中間チェック日を指示してしまうと、メンバーはYesというしかないので成長のチャンスが無くなってしまいます(もちろん、Noを言えるメンバーもなかにはいますが…)。
『いつごろ中間チェック必要?』と問いかけるだけで、メンバーを成長させることができます。
いかがでしたでしょうか?
気にいってもらえたら、ぜひ1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』実践しましょう!
2 アンカー(『いつごろ中間チェック必要?』を思い出させるきっかけ)
きっかけがなくてもメンバーにフィードフォワードできる方は
『いつごろ中間チェック必要?』を実践してください。
実践するのに不安がある方は、人すなわち「メンバー」をきっかけにしましょう。
★ 〇〇さんに長めの仕事任せよう!
⇒ 『いつごろ中間チェック必要?』とフィードフォワードする
さて、誰なら一番フィードフォワードしやすいですか?
全メンバーの中から次の条件にあてはまるメンバーを選んでください。
・コミュニケーション取りやすい
・関係性がある
・自分で考えて仕事をしたがる
・いい仕事をしたいおもいがある
3 今すぐ準備しましょう
『いつごろ中間チェック必要?』を実践するには次の準備が必要です。
今すぐ準備しましょう!
① 週4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。週4回は実践しないかもですが、準備の例を次に示します。
・ 「XXさんに『いつごろ中間チェック必要?』と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)
・ 1枚のふせんに『いつごろ中間チェック必要?』と4回のチェック欄を書く(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)
② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る
4 いつから実践しますか?
『いつごろ中間チェック必要?』いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・明日から
・来週の月曜日から
・来月から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
『いつごろ中間チェック必要?』実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』の紹介は以上でおひらきです。皆さんのフィードフォワード力UPを心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
1秒フィードフォワード『いつごろ中間チェック必要?』の7秒しかけを気に入ってもらえたら、「日刊7秒しかけマガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!
それでは、また明日!!