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限界言語集落 【川柳/自由律俳句】

幽霊ゴーストの手つきで焼いたりんごパイ

珈琲は水出し金魚は笠間焼

十月の祖父は時計の中にいる

密談の夜には舌が青くなる

八角形の鹿はいなかったことに

千代田区の隙間をぬって蛸になる

西方の知事部局から来るレタス

喘息の朝顔だけが枯れのこる

天帝は梨のにおいを嗅ぎつける

真夜中のノスタルジアに放火する

この先の雨後の高度に海胆が浮く

神棚につけた睫毛が伸びざかり

幻想の重さに壊れていく栃木

蝋燭の芯からまぼろしが香る

ありえない北緯に限界言語集落

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