坂を下るとそこは海
引越しをして、約2ヶ月。
仕事も始まって、生活用品もだんだんと揃っていって、不自由なく暮らせるようになってきました。
緑もあるし、川もある。駅から少し遠いのも、前の場所とおんなじ。
だけど、夏なのに何かを感じる忘れている気がして。
自転車を漕ぎながら風を感じていた時、ふっとそれが何かわかりました。
それは、【潮の香り】
産まれてからずーっといたあの町は、海がとっても近く。
自転車で15分。
坂を登って下れば、すぐそこにあるのが海でした。
そんな距離だから、海からの風が吹けば、家の中にいても潮の香りが香ってくるほどでした。
子どもの頃から触れてきた潮の香り、そして海。
赤ちゃんの頃、砂の上におろそうとしても意地でも足を砂につけなかったわたし。
砂の上に立たされて、身動きがとれなくて泣いてしまったこともあった。と母や祖母からよく聞きます。
足の間にまとわりつく砂のあの感じが赤ちゃんの頃から苦手だったんだろうな〜と思います。
(今もちょっと苦手)
小学生の頃、いつもは母の手料理だけど、夏の夕方限定で時々、コンビニで夕ご飯を買って海へ行き夕陽を見ながら家族で、ご飯を食べる。
足だけ海に入るつもりが腰まで入っちゃう、、なんてことも。
“夏”の夕方限定の特別なあの感じ。今でも思い出すと、ほっこりじんわり温かくなる思い出です。
それと、海で毎年開催されるライブもあって、それに行くのも毎年の楽しみでした◡̈
中学生の頃、部活で早朝から海近くの松林に行って走り込んだ夏休み。時々砂浜練習もあって、足がとられる砂の上できつーい練習をしました。
あれは、、きつかった、、(笑)
部活のメンバーで自転車で海に行って遊んだ帰り。ポッケに入れていたはずの自転車の鍵がなくなり(多分、海に流れていった)大慌てした日もありました。
大学生の頃、花束のあの子と毎年、マクドナルドを買って海に行きお互いに好きな曲をかけて熱唱したり、花火をしたり、お話をたくさんしました。
必ず決まって流すのは、フジファブリックの『若者のすべて』でした。
社会人目前、noteで出逢った彼が、突然会いにきてくれた日。2人で水族館の後に海に行き、流木で『人』という字を作ったこと。日光に当たらないよう影を作ってくれて、「パラソルみたいだね」っていったら、なぜか喜んでいたこと。
手を繋いでくれたこと。『また絶対来るから』と言ってくれたこと。
海の思い出は、書ききれないほどたくさんあって、わたしの思い出の中には必ず海があります。
それほど身近だった海。
先日、彼が江ノ島に連れて行ってくれました。
身近だった海とは正反対の海、太平洋。
片瀬江ノ島の駅を降りて気づいたこと。
それは、海風の香りが少し違うということ。
江ノ島の海風は、潮の香りというよりも、
磯の香りがしました。
自転車で行けた海ではなく、電車を乗り継いで行く海で感じた素敵な気づきでした。
自転車を漕いでいれば、生ぬるい風とともにふわっと香る。
あの懐かしくて恋しい潮の香りがない初めての夏。
少しだけ寂しい気もするけれど、またあの潮の香りと真っ青な海に会いに帰るのを楽しみに過ごしていこうと思います◡̈