ご自愛ください。
曇りの日も、嫌なところばかりじゃない。
白い朝を届けてくれるから好き。
そう思えた午前7時。
豆乳で割ったコーヒーを片手に、部屋に差し込む柔らかな靄のかかった光を見ながら思う。
変な夢を見て、変な気持ちのまま起きてしまったけれど、白い朝に出会えたのだから、それはそれでいいのだろう。
週に一度の買い物に出かける。
空気の少し抜けた自転車を漕ぎながら受ける風は、やけに寒い。
秋もやっとこさ始まったことだし、旬のものを。とさつまいもを手にする。
これで、大学芋とさつまいもの蒸しパンを作るのだ。
と心に決めた。
家に帰って、とってもシンプルで質素だけれど、大好物の納豆ごはんを頂く。
最近のお気に入り納豆は、たまご醤油たれ納豆。
とろとろの泡立ちのいい泡納豆をボフッと口にいれ、ご飯で追いかける。
大学芋を作りながら、久しぶりにおばあちゃんに電話する。
関西節の聞いた耳馴染みのいい声で笑っている。
いつでも、母親よりも味方でいてくれるおばあちゃんに、会いたくて寂しくて泣いてしまう。
泣いているとバレないように必死に笑ってみる。
けれどきっと鼻水をかむ音でバレてはいるのだろうけど。
夕方から少し出掛けて、帰ってくる。
出掛け先で買った入浴剤、一人暮らしの贅沢な日には、特別な入浴剤を。
いつもと違うシャンプーと、いつもと違うクレンジング、洗顔。
上がってからも、入念にボディケアをした後には、試供品でいただいたロクシタンのナイト美容液をつける。
いつもと違うスキンケアでいつもとは違う触り心地になった肌に馴染ませる瞬間は、美味しいものを食べた時の感覚と似ている気がする。
時間に追われず、ゆっくり自分と向き合うこと。
ゆっくり自分のしたいこと欲しいもの、何より、自分にしてあげたいことをする。
そんな日を過ごしたのかもしれない。
どうか、自分をご自愛ください。