【短編小説】悪魔的チャーハンを
さっきの家は、あまり目ぼしいものはなかったな。大戸雄三は周囲を気にしながらも、堂々と歩いている。
刑務所から出てきて二週間目、あっせんしてもらった料理店には馴染めなかった。俺よりも一回り以上年下の二十幾つの小僧店長が料理のこと分かった顔して、講釈たれてくるのがむかっ腹が立つ。
いいんだ、命令なんてのは。理不尽でも。おれが若い頃は返事しただけで、殴られたもんだ。だがな、俺が言いたいのは食べ物を粗末にするようなヤツに偉そうに命令されるのはムカつくってことだ。なんでもデカ盛