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第四話:思い出せない音を飲む 秀一が高校二年生になって高校を中退した頃、正美は病室には…
第三話:多用する読点 正美は集中治療室などではなく、普通の大部屋にいた。スマホとタブレッ…
第二話:カオスなショー 義務教育だから退学なんてわけにもいかず、正美はそのまま地獄の二年…
第一話:パンとサーカス パンとサーカス、食料と娯楽で満足になって政治に無関心になるという…
「ねぇ、もう終電なくなるんじゃない?」 早田早紀は澤井雄二の断固として帰らなさげな素振…
「吉野くんのことは嫌いじゃないけど、恋人っていうか付き合うっていうのは、なんというか」 …
どうにもこうにもおっかねぇ。小学校の通学路にまた、ひび割れができていやがる。 独り言が呼吸するように出てくる井坂玄治はこの道三十年のベテランだ。腰に巻いている道具入れには、時間パテと角ゴテだけだ。左官屋から埋め屋に仕事替えしたのは、時代の流れだ。だから厳密には左官屋二十九年、埋め屋一年の経歴。埋め屋になってからの方が、施主にゴタゴタ言われることもない。 その辺の道端の時間ひび割れならをパテ埋めして、二万円。半日仕事で市から支給される。時間裂け目なら、丸二日仕事だ。時間
不治の病って、ふじの病なのか、ふちの病なのか。どっちかなんて、まぁ今考えても仕方ない。…
六月八日(木)、午前十時 田辺健一はスマホの着信音で目覚めた。会社からだった。そのま…
前回のおはなし↓ 芳野はあれから何度か、タイムホールに突き落とされていた。もう四回目…
俺の身体にはウイルス型の時限爆弾がセットされている。正確には一定時間が経つと、身体の中…