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ケーキの切れない非行少年たちを読んでみた

みなさんおはようございます。少し前にベストセラーになった本で「ケーキの切れない非行少年たち」というのがありました。おおまかな内容を紹介すると、認知のゆがみがいじめ、性犯罪、殺人、虐待の原因だ、と書かれてありました。この認知機能についてですが、普段あまり意識はしていないでしょうが、どうしても一定数認知機能に障碍を持った人はいるようです。というより、障碍とまでは言えないが、それに近いといったニュアンスでしょうか。昨今境界知能なんて言葉が流行りましたが、実はX等でトレンドになる前に、実は少年院を監督した人によって書かれた本があったことを最近知りました。

自分も何度も本屋でこの本は見ていたのですが、今回思い切って買うことにしました。どんな内容なのかとても気になったものです。読んでいて印象に残ったのが、通常悪いことをした人に反省するように促すものですが、どうやら少年犯罪を行った人の多くはその反省すらできないような人だそうです。ここで紹介されていた人たちは境界知能にあると言われており、IQで言うと70以上85未満に分類されるそうです。IQが70ないと知的障碍者に分類されるため、知的障碍ではないが、何らかのサポートが必要な人といった分け方をされています。ただこれは現在ではサポートはされていませんが、70年ほど前にはサポートがされていたとか。しかしIQが70から85となると人口の14%ほどいるとされており、7人に1人がそこに入ってしまいます。クラスに3,4人はこの中に入ってしまうようですね。それでいろいろいじめなどの問題に遭うようです。また人口比で見ても多すぎるため、それだけのサポートができないといって切り捨てられたというのが現実のようです。

そんな境界知能にあると言われる人がどうしても犯罪者になってしまうという現実があるようで、少年犯罪を防ぐためには、周りがそこに気付いてあげる必要があるとのことでした。これは難しい問題だと思います。知的障碍者と明らかに分かれば様々な支援が受けられますが、一見すると境界知能の人は通常の人と見わけがつかないそうです。それに子供の頃から多くのサインを出しているようですが、それも見落とされがちなのだとか。こうなると中には犯罪に走ってしまう人も出て来てしまうようで、これは社会的に見てもどうやって対処するかを考えなくてはならないとのことです。

この本を読んで新たに分かったのが、普通はそんなこと思わないだろう、とか、しないだろうとは思ってはいけないとのことです。自分が普通だと思っていたことが実は全然普通ではなかったなんてことはよくあります。この本を読んでかなり認識が変わったのも事実です。彼らはバカにされる対象ではなく、サポートをしてあげる必要がある人たちなんだと。もしサポートが受けられていれば犯罪者にならずに済んだのかもしれません。それに無理に勉強させるとかしなければ、性格が歪むこともなかったかもしれません。仮に認知機能が低いと判断されても、他の分野では優れた部分があることも考えられますし、多様性を謳うなら彼らが生き生き過ごせるような環境づくりも必要でしょう。画一的な教育から脱却する時期に来ているのかもしれません。思えば自分の子供の頃も勉強がものすごく苦手な人とかいました。しかし他の分野では優れていましたし、今ではちゃんと仕事もしています。やはり集団で教育するようなやり方の見直しが必要でしょう。

実際のところ人的リソース等問題は多いでしょうが、今後も社会を発展させていくことを考えれば、避けては通れないと思いました。私としては画一的な教育に無理が出て来たと感じたのが大きかったため、今後またどうやって教育をしたらいいかも記事を書きたいと思います。何より、彼らを犯罪者にしてしまうことは社会としても損失は大きいでしょうし、何より被害に遭った方が浮かばれません。刑事犯罪に巻き込まれないようにするためにも、この手の研究はもっと今後進めてもらいたいと思った次第です。

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ブルーベリー博士(家庭菜園投資家)
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