74_リーダーに知ってほしい!組織を良くする自責思考と他責思考のバランスとは?
皆さま、こんにちは。
本日はリーダーに必要な思考に関するコラムです。職場でチームリーダーや管理職をおつとめの方、これから目指している方のご参考になれば幸いです。どうぞお付き合いください!
ある企業でリーダー向けモチベーションアップセミナーをした時のことです。
「自責思考と他責思考、どちらの方が良いと思いますか?」と質問をしてみました。皆さんの答えは「自責思考」。その顔には「今さら、何を聞いているのか?」と書いてあります。
たしかに、自責思考にはたくさんのメリットがありますし、周囲からも良い評価を貰える可能性が高いです。でも、本当に自責思考だけが良いと思いますか?
自責思考が強すぎる場合
仕事で何か問題が起こったとき、その原因が自分にあるとして捉えるのが自責思考。「自分を責めること」が、ビジネスの場では、問題に対して当事者意識を持って取り組むポジティブな意味で使われます。
自責思考の人はミスや問題が起きたとき
部下のミスは自分の指導力不足が原因だ
きちんと確認をしなかった自分が悪い
自分の計画の立て方が甘かった
チームの売り上げが落ちたのは自分のせいだ
と考えがちです。
この思考自体は間違っていないと思いますが、 自責思考が強すぎると、自分の心に強い負担がかかり、モチベーションのコントロールが難しくなります。また、その責任感から、周囲にも高い基準や厳しい評価を求めがちで、時には無意識に周囲にプレッシャーを与えてしまうこともあります。
他責思考が強すぎる場合
一方、他責思考とは、職場で起きた問題をそれが自分のミスであったとしても他者のせいにする思考です。
他責思考の人は、ミスや問題が起きたとき
私はリーダーとしてのトレーニングを受けていないので、できなくて当然
マニュアルがわかりにくいから時間がかかった
サポートをしなかった上司や先輩が悪い
そもそも上司の指示が間違っていた
と考えがちです。
ここで皆さまに考えていただきたいのは、自責思考が良いもので、他責思考は悪いものなのか、ということです。
自責思考が良いもので、他責思考は悪いものなのか
自責思考も他責思考も、よい面と悪い面があります。
自責思考を悪く使ってしまうと自分を責め続けて自己肯定感が下がります。
例えば、組織で何か大きな問題が発生した場合には、すべてを自分のせいだととらえる自責思考で考えてもすぐに解決できないことも多いため、モチベーションが下がります。
自責思考が続くと、自分自身の心身の健康を損ねることにつながりかねません。一方、よく使えば個人の成長につながります。
他責思考を悪く使えば責任逃ればかりで個人はまったく成長しませんが、よく使えば「組織全体の改善」につながります。
組織全体の改善につながる他責思考の使い方
ここで、どうしたら「組織全体の改善」につながる使い方ができるのか考えてみましょう。
チーム内で同じミスが頻発している場合、自責思考の強いリーダーは「うちのチーム、モチベーションが低いからミスが多いんだ。まずは自分が気合いを入れ直さなくては。」と考えがちです。
でも、いったん自責思考をやめて、「これだけ同じミスが出るということは、そもそもやり方がおかしいのではないか?」と仕組みのせいにしてみます。
これは一見、他責思考でよくないことのように思われるかもしれませんが、仕組みそのものを改善する考え方につながります。
この際注意したいのは、他責といっても「人のせいにはしない」ということ。自分以外の誰かのせいにすると、問題というボールをたらい回しにするようなもので、自責思考の強い誰かがそのボールを受け取って苦しむことになりかねません。
人のせいにするのではなく、「プロセスやモノなど仕組みのせい」と考えることで、解決に向かう「前向きな他責思考」になります。
前向きに他責思考する際の考え方としては、「人のせいにしない」ということに加えて、単に難癖をつけたり、環境のせいにしないことも大切です。
具体的に仕組みの何が問題なのかを考えて、改善策を提案する必要があります。問題点を見つけることは比較的簡単ですが、それだけでは不平不満・愚痴どまりです。改善策を提案しないと、単なる責任逃れで終わってしまいます。
人のせいではなく、仕組みのせいと捉える
問題と改善案をセットで考える
という他責思考であれば、これは組織力の向上につながっていきます。他責思考を良い方向に使うことで改善の糸口が見えてきます。
限られた人数で生産性の高い仕事をすることが求められる今、大切なことはリーダー個人の責任を必要以上に問う自責思考を強要することではなく、他責思考をうまく使って組織全体の力を強化していくことではないでしょうか。
モチベーションを上手くコントロールするためには、自責思考と他責思考をバランスよく取り入れることが大切です。大きな問題に直面した時に、良い他責思考に切り替えることができれば、自分の心の負担を軽減でき、モチベーションを維持しやすくなります。
研修最後の振り返りで、ある方が「自責で物事を考えるのがリーダーの役割りだと思ってきたけれどバランスをとることが大切だと知り、つぶれそうだった気持ちが楽になりました」と発言されたのが印象に残っています。
組織の力を強化するために、自責思考と他責思考のバランスをとることを意識してみてください。責任感が強いリーダーは人としては魅力的ですがモチベーションが下がってしまうほど自分を責めては本末転倒です。
自責思考で自分を追い詰めてしまっていたリーダーの皆さま、上手な他責思考があることも頭の片隅に置いてみてくださいね。本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!
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