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失敗できない!学習塾のえらび方3選

こんにちは。この記事をご覧くださり、ありがとうございます。
今回は、学習塾を11年間ほど専任の教師をし900件近くの保護者面談を経験してきた知見を活かして、僕なりの良い学習塾の選び方をご紹介します。
これから、小学校や中学校の成績を何とかしたいと思って塾を探している方、受験に向けて何かさせなくてはと塾選びについて情報を探している方の参考になれば、幸いです。

「うちの塾をお問合せいただいた、きっかけは何ですか?」お問合せいただいた際に、僕は保護者の方に必ずこの質問をします。これをお読みのみなさんも、ぜひ一度考えてみてください。みなさんが学習塾に問い合わせる時に、どんなことを重視しますか。問い合わせをしたきっかけは、どんな回答が多いと思いますか。この回答で最も多いのは「家から近かった」というものです。なるほど、通塾するにあたって子どもが家から行き帰りする「距離」とそれに伴う「通塾手段」(徒歩なのか自転車なのか車なのか電車なのか)がいちばん気になるところで頷けます。このあたりは、ぜひ周囲の学習塾の立地と具体的に通うイメージをお子さんと話し合ってみてください。
今回の記事では、このような立地条件を話し合っていただいたことを前提に、他にもどんなことを考えたらいいの?という疑問や悩みにお答えする形で、「学習塾選びの視点」を3つ紹介してみます。

友だちがいるか、いないか

「友だちが通っているから、体験してみたい。」「友だちに夏期講習に誘われたようで、親としてもこれが勉強を始める良いきっかけになればいいなと思いまして。」と体験や入塾のきっかけになる多くのケースが、この「友だちがいる」という理由です。
授業を1週間程度体験してから入塾を検討することが多いと思いますが、その際に教師は、大事なあることを考えます。それは、体験生の座席の場所をどうするかということです。例えば、この子はお友だちの近くに座る方が良いかな、とかこの子はこのお友だちとは離して座ってもらう方がいいな、という具合で調整します。新入生にとって塾は新しい環境ですから、安心して勉強に向かえる環境を整えることはとても重要なのです。
そして、実際に通い出してから成績が上がるかどうかは、実は友だちの影響がとても大きいです。もちろん、教師の授業がわかりやすいかどうか、成績を伸ばす授業か、という教師の力量もとても大切です。しかし、そのこと以上に、その教師の授業の中で、あの学校のお友だちがこんな真剣に頑張っている!という姿に、子どもというのは大きく感化されるものです。
思春期にもなると、親の教育よりも付き合う友人の影響がより大きくなっていくものですが、塾での成長も同じことが言えます。家で親から見える子どもの勉強に向き合う姿(心配になる姿がほとんどだと思いますが・・・笑)と比べ、友人の頑張りを意識する塾での子どもの姿は意外と頼もしく見える、といったことも珍しくありません。
さらには、仲の良い友だちが通ってる塾であれば、ハズレは少ないと思われます。なぜその友人と仲が良いのかといえば、わが子の価値観に近いからですよね。その子が通い続けていてそれほど悪い評判がなければ、おおむね大丈夫だろうと判断して良いと思います。
逆に、「友だちがいないから、問い合わせてみました。」という声も実は多いです。学校で仲のよい良い友だちがいないからこそ、勉強だけに集中できそう、というものです。確かに、学校の友人に塾で頑張る姿(時に苦戦する姿)をみられてしまうというプライドの問題はあります。あるいは、学校ではついふざけてしまうキャラを演じているけれど、実は勉強だけは真面目にやりたい、という思春期のキャラづくりに関わることもあるかもしれません。また、少し込み入った事情で(学校でいじめがある、外部受験をするなど)知り合いが誰一人いない塾を探す、といったこともあります。
いずれにしても、友だちのいる、いない、で塾を選ぶという視点はとても重要ですので、1番目に挙げてみました。

営業(営業トーク)が少ない

塾の営業(営業トーク)、と聞いて、どんなものを想像するでしょうか。どの塾も企業であるため、利益を追求する組織です。非営利団体ではありませんので、営業活動は大なり小なりあるのが通常です。
塾の営業とは、合格実績掲示、合格率、高得点アピールはじめ、有料のオプション特訓案内、教材販売、友人紹介キャンペーン、入塾勧誘電話、チラシのポスティングなどがあります。定期テスト前の無料特訓なども、いわゆる「駆け込み需要」を狙った営業活動、と捉えて差し支えないと思います。
営業(営業トーク)が全くないという塾はほぼないとしても、それがあまりにも多い塾は、おススメできません
理由を、生徒側と教師側の両方の視点からお伝えしてみます。
生徒側としては、非常に煽られアオラレやすい、ということです。例えば、有料の特訓授業の場合、合格した先輩からの「この特訓授業を頑張れたから合格できました!」という声を集めて教師はそれを伝える、といったことが行われます。その際に、「この特訓を塾で“みんな”が頑張っている間、きみは家で同じくらい頑張れる自信はある?」「今までのダメな自分を変えるチャンスだ!」「今度はきみたちの番だ!」なんて言われると、もう取らない生徒は受験生じゃないというクラスのムードが出来上がってしまい、同調圧力で特訓講座をとる人が続出します。ここまで、どうお感じになりますか。僕は、それで良いんだろうか、と懐疑的です。結果的に受講した方が得だとしても、まずは親子で特訓授業をとる場合のメリット、デメリットをしっかり話しあい、金銭面や家庭の時間を犠牲にするだけの覚悟(納得)ができるかを冷静に判断した方が良いと思っています。集団の塾であればこそ、集団心理が良くも悪くも働きます。
教師側の視点も少し、付け加えます。営業活動が多いということは、営業活動に費やす時間が相対的に多いということです。どんな時間が犠牲になりやすいかというと、教師が生徒のことを考える時間です。例えば、子どもの成績をしっかり見る、前回の様子を振り返るといった余裕がないということです。本来の本業であるはずの授業準備がいい加減になるということです。さらに授業中であっても、授業を「今日は演習を多めにする。」などと言って、教室を出て教師スペースで営業電話をかけているケースもあり得ます。これでは、教師の仕事とは一体なんだろうと思います。そんな教師のもとで子どもたちは健全に勉強できそうか、ということは一考に値するはずです。

保護者が「この先生なら信頼できる」と感じられるかどうか

たとえどんなに友だちがおススメしていても、どんなに実績がよい塾でも、通う生徒本人が通いたい!と思えるかどうかがとても重要です。最後は本人に任せます、という声はよく聞きます。
しかし、僕はそれ以上に、通わせる保護者が信頼できると思えるかどうかが実は一番大事なんじゃないかと思っています。
すごく単純に表現すると、塾は「期待」を売り、親や子どもは「期待」を買うんです。「良い成績」や「志望校の合格切符」を売り買いすることはできないんです。親目線で言えば、結果は買えない。買えるのは、すべてプロセスなんです。さらに、塾は中長期的に通い続けることを前提にするので「期待」に対して結構高額な投資をしていくことになるんです。毎月、結果の保証のない「期待」に対して一定額お金を払い続けるサブスクリプションです。だからこそ、重要になるのは僕は納得感だと思います。あるいは、安心感です。どんなに大きくなっても心配は尽きない我が子について話を聞いてくれる。勉強以外のことでも気さくに話せる。こうした関係性を築ける先生がいるかどうか。何かあった時の、心の拠り所たる先生がいるかどうか。商品を見極める消費者は保護者である、と心得ておくことはとても重要だと、僕は考えています。

まとめ

子どもの教育については、子どもを応援したいという親心からつい聖域化しやすい側面があります。こちらが想定している予算を大幅に超えてくる講習費用、塾に費やす時間、“みんな”やっているからという同調圧力から、いろんなものが犠牲になることがあります。これだけこっちはやっているのに、全然子どもは勉強しない、どうなってるの!という気持ちが高ぶれば、親子関係もギスギスしてしまいがちです。だからこそ、学習塾選びは親子間の納得感や安心感が重要だと僕は思います。近所だから、安いから、実績がいいから、というわかりやすい視点だけでなく、ぜひ親子で「塾、どうしよう?」という話をじっくりしてみませんか。

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