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無口な人との会話における質問法
今回は、無口な人との会話の弾ませ方についてお話します。
言葉数が少ない人との会話は、相手の沈黙が多くなって、なかなか話が弾みにくいものです。
かといって、こちら側が一方的にしゃべりすぎても、相手側としてもただ話を聞かされるだけで負担です。
できることなら、相手を会話の主役として、こちらは聞き役になりたいものです。
実は無口な人との会話では、質問の仕方によって、相手に話しやすくさせることができます。
私は普段ひきこもりの方の相談をしていまして、言葉数が少ない方との会話場面が多いのですが、このやり方でお話を聞くことができています。
無口な方との会話でどのように質問していけばよいのか、お伝えします。
いわゆる「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」を意識して使っています。
オープン・クエスチョンとは、「開かれた質問」で回答の範囲を制限しない形の質問です。
この質問の形をとると、回答者が自由に考えて答えることができます。
「休みの日はどのような過ごし方をしますか?」
クローズド・クエスチョンとは、「閉じられた質問」でYesかNoで、または選択肢の中から選んで答えられる範囲を制限する形の質問です。
範囲が制限されていることで答えやすくなります。
「休みの日に本を読んだりしますか?」
「本を読むのは好きですか?」
一般的に会話を弾ませるためには、「はい」か「いいえ」で終わってしまうクローズド・クエスチョンよりも、回答を制限されないオープン・クエスチョンの方が適しているとされています。
しかし、こと無口な人との会話においては、クローズド・クエスチョンもとても役立ちます。
具体的には、オープン・クエスチョンもクローズド・クエスチョンも使いますが、その順序を意識するのです。
まずクローズド・クエスチョンで「はい」か「いいえ」で簡単に答えられる質問をしていきます。
そして、そのやりとりが続き発言しやすくなってから、自由度の高いオープン・クエスチョンをしていくという順序です。
なぜ先にクローズド・クエスチョンなのか。
無口な人というのは、質問に対して慎重にじっくり考えてから答えようとする傾向があります。
そのため、会話の出だしが自由度の高いオープン・クエスチョンだと急に頭を使うことになるのです。
ですので、最初は思考力があまりいらないクローズド・クエスチョンの方が答えやすく相手にとって優しいのです。
無口な人との会話においては、クローズド・クエスチョンは、ウォーミングアップのようなもの。
温まってきてから、オープン・クエスチョンに移ると、ずいぶん答えやすくなるのです。
私がお伝えしたかった、質問法は以上です。
クローズド・クエスチョンからのオープン・クエスチョン。
ここからはちょっとマニアックな応用バージョンなので、参考程度にお読みください。
クローズド・クエスチョンのパートを「YESセット」にすることで相手と打ち解けやすくなります。
YESセットというのは、相手から「YES」を引き出しやすくする会話の技術です。
相手か必ず「はい」と答えるような質問を3回以上重ねて、小さなYESをくり返してもらうと、その後の質問にもYESと答えやすくなるというものです。
(過去記事『「YES」を引き出す鉄板の質問法』参照)
「今日は暖かい日で良かったですね?」
「はい」
「この店、静かで落ち着いていますね?」
「はい」
「落ち着いた場所のほうが話しやすいですよね?」
「はい」
「今日はお話しできるのが楽しみです」
「そうですね」
(ざっくりすぎますけど、このような流れです)
YESセットは単にYESを引き出すだけではなく、自分と同じように考えているという類似性を感じられるので、安心感を得やすくなるのです。
会話の出だしである程度安心感を得てから、オープン・クエスチョンに移るという方法です。
(やっぱりマニアックですね)
以上、今回は、無口な人との会話においては、思考力があまりいらないクローズド・クエスチョンから始めてオープン・クエスチョンに移るという順序にすることで話してもらいやすくなるという内容でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師