言いにくいけど言いたいことを第三者の言葉で伝える方法
相手に対して、言いたいだけど言いにくいことってありますよね。
その相手のことを思って言いたいのだけれども、
聞き入れてくれなさそう、
上からの物言いになってしまいそう、
心が動かなそう、
そんなときです。
このような場合に相手の心が動くようにうまく伝える方法があるので紹介します。
第三者の言葉を使って自分が言いたいことを相手に言うのです。
例えば、習慣化の大切さを相手に説きたい場合。
私が「習慣化しなさい」と説くよりも、イチローの習慣化のエピソードをこんこんと語るほうが説得力はあります。
このように自分ではなく第三者の言葉や話を引用することで、言いたいだけど言いにくいことを伝えるのです。
そうすることでいくつかの効果があります。
・自分と相手の関係性には関係なくフラットに受け取ってもらえる。
・相手にとって尊敬できる人や大事な人の言葉なら、なおのこと響く。
・第三者の言葉なので自分が責任を負わずに言える。
この手法は、心理療法家ミルトン・エリクソンが好んで使っていた「マイフレンド・ジョン」と呼ばれるものです。
ミルトン・エリクソンは私が大好きな心理療法家で現代催眠療法を築いた人です。
治療の場において患者の「抵抗」を極力なくすために様々な催眠手法を用いていましたが、マイフレンド・ジョンもその一つです。
患者が治療を受け入れるためにまた治療効果を信じるために、「私の友人ジョンの話なのですが・・・」と友人の話をして、まるで友人の口から語らせるかのようにしていました。
マイフレンド・ジョンは、ストーリーにして語ることでより効果が増します。
寓話や昔話にはその効果があります。
「アリとキリギリス」の話を聞いて、直接的に将来に備えることの大切さを説かれたわけではないのに、そのことを考えます。
催眠では、メッセージを無意識に抵抗なくすっと入れます。
ストーリー性を持たせることで意識の抵抗を弱めて、すんなり無意識に入れることができるのです。
言いたいけど言いにくいことに相手を褒めるということも含まれます。
素直に褒め言葉を受け取れない、
別にあなたに褒められたくない、
という人もいますので。
その場合に第三者の言葉を引用して、
「そういえば、○○さんがこんなふうに言っていましたよ・・・」
と第三者の口を使って褒めると心に届きやすくなります。
今回は、言いたいけど言いにくいことを第三者の言葉で伝えるテクニック、「マイフレンド・ジョン」を紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師
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