脱ネガティブのコツ ―抽象的な名詞を言い直す―
今回は、ネガティブな思考から抜け出す
コツの一つを紹介したいと思います。
「私は○○だ」
「○○な状態が続いている」
と自分がネガティブな状態だと思い込んで
しまうことがあります。
自分の状態の説明の仕方を変えることで、
このような状態から抜け出せる方法が
あります。
今回はそれを紹介します。
その方法とは、
抽象的な名詞表現に実体を持たせてみる
というものです。
なんのこっちゃ?
わかりにくいので具体的にはですね。
「不眠症」ってありますよね。
「私は不眠症です」
「不眠症がずっと続いています」
この「不眠症」という抽象的な名詞が
くせ者です。
具体的にどんな状態を「不眠症」だと
言っているのかを説明してみます。
「私はベッドに横になってから、
眠りにつくまで3時間かかります」
「それが1週間続くことが
3か月に2~3回あります」
こうして説明すると、「不眠症」を実体のあるものとして扱いやすくなります。
なににどのくらい困っているかも
わかりやすくなります。
「私は無能です」
「無能」という抽象的な名詞が具体的に
なにを指すのかを説明してみます。
「私は上司から指示された仕事を終える
のにぎりぎりの時間になってしまいます」
「同期で入社した同じ部署のBさんは
私よりも1時間早く仕事を終えます」
なにについて「無能」と言っているのか、
具体的にわかるようになります。
私たちは実体のないものに対して、
不安を大きくしてしまいますよね。
実体がないものは、
動かすことができない、
コントロールができない、
感覚にとらわれます。
実体があるものにすることで、
コントロール可能なものになります。
私たちにとって、
自分がコントロールできないという感覚は
ストレスになります。
コントロールできる感覚を得るためには、
抽象的な名詞表現が実体を持つように
説明し直すことが役立ちます。
では抽象的な名詞に実体を持たせるには、
どのようにしたらよいでしょうか?
一つの方法として、
その名詞がどのような状態なのかを
質問するとよいです。
「私の状況は最悪です」
→私にとっての最悪とはどんな状態?
いつと比べてどのくらい悪いのか?
「私は孤独です」
→私にとっての孤独とはどんな状態?
誰と離れることでそう感じるのか?
こんな感じで自分に質問してみると、
実体を持ったものになります。
今回は、ネガティブな思考から抜け出す
コツの一つとして、抽象的な名詞に実体を
持たせるという話をしました。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師