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自分の基準で相手を説得することはできない
今回は説得に関する話です。
相手のことを心配して説得したいのだけれども、抵抗されてしまうことってありますよね。
健康面を心配して。
将来を心配して。
元気でいてほしいために。
相手のことを思っての説得であっても、応じてはもらえない。
そのような時は、自分の基準ではなく相手の基準で考えて話をする必要があります。
大事な人をどのように説得すればよいのか、参考になればと思います。
自分を基準に考えて相手を説得することは難しいですよね。
あくまでも相手の基準で考えなければいけません。
これが相手にとって良いのだ、と思っても、それはあくまでも自分の基準です。
食が細い子どもがいるとします。
親としては、栄養や成長のためにもっと食べてほしい。
けれども、その親の基準で子どもに食べさせようとしても、納得がいって食べてくれるとは限りません。
それが、子どもに強くなりたいという願望があったなら。
「たくさん食べると強くなれるよ」と子どもの基準で話をすることで食べるようになるかもしれません。
私も幼少期の頃は食の細い子どもでした。
保育園の昼食の時は私が一番食べるのが遅くて、毎日食べ終わるまで教室で一人残っているくらいでした。
先生や親も心配していましたが、保育園の頃は変わることはありませんでした。
しかし、小学生になってある時期にクラスで昼食の早食い競争が流行ったことがありまして。
それで私も勝ちたくて食べるスピードが早くなり、量も多くなり、以来食べることが好きになったというエピソードがあります。
心理的リアクタンスというものが私たちにはあります。
人は自分が自由に選択できると思っていることに対して制限や強制をされると、抵抗や反発感情が生じる性質。
特に抵抗が起こりやすいのはこの2つの場合です。
・望まないことを強要された場合。
・変わることを強要された場合。
自分の欲求や願望から変われるのが望ましいのです。
その人自身が何に価値を置いて何を優先しているのかという基準で考えることです。
知り合いの精神科医の先生に聞いたことがあります。
本人が必要性を感じていないけれど、精神科への受診を勧めるにはどうしたら良いか?
周りが心配している症状ではなく、本人自身が今困っていることに焦点を当てるのが良いとのこと。
摂食障害(特に拒食)の例で考えてみます。
本人も必要性を感じにくく、ストイックな性格の方も多いので受診への説得が難しい。
周りは健康面や精神面での心配から説得しようとします。
それを本人の基準に合わせてみます。
例えば、受験勉強中で完璧に勉強や自分をコントロールしたい願望が拒食を加速させているとしたら。
本人が今一番価値を置いて優先している基準(受験を成功させたい)で考えます。
食事の影響で勉強への集中力がなくなっていることが困りごとなら。
受診までは難しいかもしれませんが、これを足掛かりに何か介入ができるかもしれません。
例が少し特殊でしたが、その人自身が何に価値を置いて何を優先しているのかという基準で考えることが秘訣です。
今回は、自分の基準で相手を説得することはできない、という話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師