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好かれる人になるには「笑わせる」よりも「笑う」
いかにして人を笑わせて楽しませようか、と私たちは考えがちです。
つまらない人間だと思われたくない。
楽しい人間だと好感を持ってほしい。
何か面白い話をして人を笑わせなければいけない。
対人関係でそのようなプレッシャーを感じてしまいます。
でもそれ、無理にしなくても大丈夫です。
人を笑わせるよりも、その逆で良いんですよ、という話を今回したいのです。
これは傾聴に関わる話でもあります。
相手を尊重し、結果的に自分への好感を得られるので、会話場面で参考にしてみてください。
「笑わせる」よりも「笑う」こと。
いかに相手の話に笑うことができるか。
これが会話では大事です。
シンプルですよね。
人の根源的な欲求に自分を重要な人間として扱ってほしいというものがあります。
これを満たしてあげると、結果的にその相手から好感を得られます。
そのための方法は様々で、もちろん傾聴もその重要なものの一つ。
そして、相手の話に「笑うこと」も一つの、大変効果的な方法です。
笑ってもらうこと、面白い人間だ、楽しい人間だと思ってもらえると、私たちは自分に価値を感じられます。
ややこしい表現をしましたが、単純に「うれしい」じゃないですか!
私がいた前の職場での話になります。
傾聴がとても上手な女性の同僚がいました。
私が少しでも面白い話をしようとすると、よく笑ってくれるのです。
それがうれしくてどんどん自分のペースで話してしまいます。
傾聴の訓練をしっかり受けていた方なので、笑う効果を意識してか無意識か、身についているかのように自然に行うのです。
笑う効果やこれは傾聴だとわかってはいても、その方の所に行くと、ついつい話してうれしい気持ちになったものでした。
大した人だなと、いつも思っていました。
相手に合わせて笑うなんて、自分のほうはぜんぜん楽しくないんじゃない?
そう思います?
ある実験では、面白くない話を意識的に笑顔を作って聞いた場合と、無表情で聞いた場合で、笑顔で聞いた方が話し手は楽しく話ができたのはもちろんのこと、聞き手も楽しく感じられたそうです。
笑顔で話を聞くと、自分も楽しくなるんですね。
アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズの有名な言葉で
「人は、悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのである」というのがあります。
ある感情があって、それからそれに見合った行動が起きると考えるのではなくて
まず先に行動して、それからそれに見合った感情になるという考えです。
「人は、楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのである」
このように考えれば、自分から笑えば、自分が楽しくなる、そして相手が楽しくなり、結果自分に好感が返ってくる。
このような好循環が生まれるのです。
今回は、好かれる人になるには「笑わせる」よりも「笑う」、という話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師