好きな動物とその理由で「他人からどう見られたいか」がわかる
今回は、人が他人からどのように見られたいと思っているのか、どのように評価されたいと思っているのかを探る方法を一つ紹介します。
人には周りの人たちから「自分はこのような人間だ」と思われたい自己像があります。
でもそれを口にすることはまれです。
つつましくいることがある種の美徳であるかのように。
この内面の「他人からどう見られたいか」を探ることは、良好な人間関係を築く上での一つのテクニック。
なぜなら、人は自分の価値を認めてほしいという欲求を強く持っているからです。
「他人からどう見られたいか」を知ることで、その人の価値を認める態度で接することができます。
そして、自分の価値を認めてくれる人のことを私たちは好きになるものです。
「他人からどう見られたいか」「どう評価されたいか」
それを探るには、会話中にある質問をしてみるのです。
その質問を紹介します。
それは、
「好きな動物は何か?」
「その理由は何か?」
という質問です。
相手が「パンダ」が好きと言うとします。
その理由は、
パンダはかわいらしく笹を食べているイメージがあります。
しかし、実はクマ科の動物です。
いざというときには、獰猛になる一面があります。
「穏やかだけど、いざというときには力を発揮する」
そのような動物であるパンダが好き。
このように質問の答えには、
いつもは穏やかだけどいざというときには力を発揮するという、内面の人から見られたい想いが現れています。
そして、ここからがポイントです。
その得た情報をもとにその人を褒めるのです。
もちろん、すぐにそのままの言葉の表現で相手を評するとあからさま過ぎます。
そこでその後の会話の中で別の表現を使って褒めるのです。
「○○さんは、ここぞというときに頼りになりますよね。○○さんがいるからいつも安心していられます」
のように。
その人自身が抱いている自分の価値を評価してあげることにつながります。
私も相談の仕事で相談者に「好きな動物」を聞いたことがあります。
「狼」
「一匹狼」からイメージされるように「群れない」「個性的」「変わり者」であるところが好きな理由。
そこで「世間体を気にせずにいられる」「我関せず」「自分軸を持っている」ところなどを褒めて認めてあげます。
一方で裏腹に「周りとうまく折り合えない生きづらさ」を抱えている可能性があり、今後の相談のテーマとなりうるかもしれないと、心に留めておきます。
自分の生きづらさの部分を認められない人と関わるときの例でした。
このように相手の内面を知る一つの術として、用いることができます。
今回は、好きな動物とその理由を聞くことでその人が「他人からどう見られたいか」がわかり、そして上手に褒めてその人の価値を認めてあげることができるという話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師