感情労働とは?ストレスを抱えやすい理由
今回は、感情労働についてです。
近年注目されている働き方の概念です。
ストレスを抱えやすい労働の仕方とも言われています。
感情労働とは何か、またストレスを抱えやすい理由について説明していきます。
感情労働とは、アメリカの社会学者アーリー・ラッセル・ホックシールド氏によって提唱された概念です。
「肉体労働」や「頭脳労働」と並ぶ第三の労働のあり方です。
それぞれの労働の違いは、何を主に使って報酬を得るかということになります。
「肉体労働」…身体を使って報酬を得る労働。
「頭脳労働」…頭脳を使って、アイデアや企画、提案などを生み出し報酬を得る労働。
「感情労働」…自分の感情をコントロールすることで報酬を得る労働。
感情労働が必要な職種例について。
・医療・福祉:看護師、医師、介護福祉士、ソーシャルワーカー、カウンセラーなど。
・接客業・サービス業:販売員、コールセンターのオペレーター、客室乗務員など。
・教育:教員など。
この他にも、コミュニケーションが求められて自分の感情のコントロールが必要な職業は、広い意味で感情労働と言えそうです。
感情労働はストレスを抱えやすいと言われています。
いくつかの理由がありますが、私なりに重要だと思う理由を一つ挙げます。
それは、自分の人格と仕事を切り分けにくいということです。
感情労働は、自分の感情を使って価値を提供する仕事です。
表情や印象、言動それ自体が価値となります。
そのため、良い評価も悪い評価も、自分の人格と結び付けてしまいやすいのです。
そのことが自分を追い込み、ストレスを抱える要因になるのです。
感情労働におけるストレス対策について。
①オンオフの切り替え
仕事から離れた時の切り替えが大事になります。
ポイントは、ペルソナを意識することです。
私たちは周囲の環境に適応するために様々な「顔」を持って無意識に使い分けています。
職場での顔、家族といるときの顔、友人といるときの顔、趣味の活動をしているときの顔、など。
これらの「顔」をペルソナと言います。
仕事をしている時には、その職業のプロとしてのペルソナでいます。
ただし、それは数ある自分のペルソナの一つでしかなく、人格の全てではないのです。
そのように考えて、人格と仕事を切り分けるようにしましょう。
②職場でのフォロー
セルフケアとは別に感情労働の特質を職場が理解してフォローする体制が必要です。
従業員同士がお互いにケアし合える雰囲気、上司との定期面談、ストレスチェックの実施など。
それらを行ないながら、職場内でのケアができることが望ましいです。
今回は、感情労働とは何か?ストレスを抱えやすい理由と対策についてでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【お問い合わせ・カウンセリング】
■小林へのお問い合わせはこちら
小林へのお問い合わせやお仕事依頼など。
■カウンセリングのお申し込みはこちら
カウンセリングについてのお問い合わせやお申し込み。
小林いさむ|公認心理師