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徳島 阿波晩茶

那賀川中流域にある那賀町、上勝町で作られている後発酵の珍しい番茶です。
 阿波晩茶の作り方は独特です。茶葉の収穫は7月頃で、一般的な茶摘みの方法とは異なり、すべての葉をしごき取ります。その茶葉は、籠に入れたまま色が変わる程度まで大釜でゆで、茶擦り機で葉を揉んで、桶に詰めていきます。一番上にバショウ(またはシュロの葉)をかぶせてふたをし、葉と同重量の重石を置いて、茶汁をきらさないように加えながら、二週間漬け込んで乳酸発酵させます。漬け込みが完了した茶葉は、庭にムシロなどを敷いて三日間天日干しにし、最後の夜に夜露にあてて完成させます。
 淹れ方は、大きなやかんに湯を沸かして阿波晩茶をひとつかみ入れ、そのまま約1分沸騰させ、火を消します。茶葉はヤカンに入れたままにして、飲みたい時に注ぎます。のどごしはすっきりで、さわやかな酸味がかすかに残る味です。

しごき摘み
昔の茶擦り機
ふたをする

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