DeepLを過信するな、という話
今のところ無料で使える翻訳ツールとしては「DeepL」が最も優秀でポピュラーなんじゃないかと思います。もう、めちゃくちゃ便利!
ニュース記事などでちょっと意味の取りにくい英文も、驚くほど自然な日本語に訳してくれるので感服してしまう。
でもね、過信は禁物なんです。
今日は、「正しい」「自然な」英語を学習する上で気を付けておきたいDeepLの2つの「穴」を暴いていきます。
欠点① 読み飛ばすことがある
DeepLによる翻訳は、あまりに自然な一方で、部分的に訳がこぼれていることがあります。
これは、日本語→英語、英語→日本語どちらの翻訳の場合も起こり得ます。
まとまった文章を翻訳にかけると、なぜか一部が華麗にスルーされることがあるんです。大意は取れるのですが、スルーされた部分の訳こそ特に知りたかったのに!という経験は数知れず。
その場合は、スルーされた部分のみ、あるいは前後を含む意味的にまとまりのあるコンパクトな文章を再度翻訳にかける、という対処が必要となります。
試しに今日のCNNニュース記事を翻訳してみましょう。
お分かりでしょうか。太字の部分が完全に和訳からは欠落してしまいました。
ボクは、この欠落した部分の冒頭の「except」について"違和感"を感じたので、ここではどういう意味になるのか知りたかったのに、です。
調べてみると、exceptは「◯◯以外は、◯◯を除いて」というよく知られた意味以外に、接続詞として「ただし」という用法もあることがわかりました。
こういう場合、しぶしぶ、except以下のセンテンスだけ抜き出して、再びDeepLに「ここを訳せ!」と指示しなければなりません。
すると、さすがに今度はこの部分に「向き合って」翻訳してくれます。訳は正しいようです。
「意図的」なのか「天然」なのかわかりませんが、DeepLはこういうことしてくるので付き合い方には注意が必要です。
欠点② 不自然な表現をすることがある
DeepLは基本的にかなりの確率で「伝わる」英訳をしてくれます。なのですが、DeepL「だけ」で英語表現を学ぶことはやめた方が無難です。
なぜなら、DeepLの英語は必ずしも「ナチュラル」ではなく、ネイティブだったらそうは言わないというケースが頻繁にあるから。
それも、ちょっと不自然というレベルから、それはないわ!=100%不自然というレベルまで。
そもそもDeepLを使用している時点でネイティブではないわけで、我々には見分けがつきません。「これはナチュラルな表現だなぁ」などとわかりようがないはずなんですよね。
ところが、訳文はなんとなく「ネイティブっぽい」ので、「へぇ、こういう表現があるんだ、覚えておこう」と思って、不自然な言い回しをストックしてしまう可能性があります。
ネイティブではないボクがなぜ、DeepLは不自然なことがあると言えるのかというと、ネイティブチェックをかけているからです。
スピーキング添削アプリ「SpeakNow」(有償)を使うと、アメリカ・カナダのネイティブが発音はもちろん、文法・語彙について、自分の録音したスピーキングを24時間以内に丁寧に添削してくれます。
DeepLで捻り出した英文を読み上げて提出した際に、結構な頻度で「もっとナチュラルな言い方がある」「ここでその単語は使わない」といった指摘が入るんです。
例を挙げてみますね。
ボクはTOEIC940なので一応英語は得意な方といって差し支えないと思いますが、こういうことは「ネイティブに言われない限りわからない」んです。ざっと翻訳を見ている限りは問題がないと思ってしまった。
まとめ
さぁ、DeepLにツッコむ回、いかがでしたでしょうか?
AIは日々猛烈なスピードで進化を続け、「一見」人知を遥かに超えてきているように見えます。
でも、大事なのは付き合い方。
それっぽさに身を委ねて、気を抜いていると知らぬ間に掌で踊らされかねないので、しばらくは「参考程度」にとどめて、正解はきちんとした情報を自分で確かめる!という姿勢が重要でしょう。
🟧 ネイティブによるスピーキング添削をしたい方にオススメ
今日も最後までお読みいただきありがとうございました!
へぇ〜、なるほどと思った方はぜひスキを、「DeepLを使って他にもこんなことがあった」「こんな便利な活用法もあるよ!」という方はぜひコメントで教えてください。