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【左脳めし】王道漫画を支える基本四大構造とは?|荒木飛呂彦の漫画術(書籍)
『荒木飛呂彦の漫画術』は、漫画家の荒木飛呂彦さんが「王道漫画の描き方」を解説しているハウツー本です。
大ヒット作を生み出したノウハウを惜しげも無く披露
荒木飛呂彦さんの代表作といえば『ジョジョの奇妙な冒険』。1986年の連載開始から33年を経た今も連載が続いている人気シリーズです。
単行本は100巻を越え、累計発行部数は1億部を突破。その人気は海外にも及んでおり、日本を代表する漫画の1つといえるでしょう。
そんな大ヒット作を手がけた荒木飛呂彦さんが、自らのノウハウを惜しげも無く披露しています。
本書を読むと、『ジョジョの奇妙な冒険』のヒットは決して運や偶然ではなく、理にかなったものだとわかります。
その内容は、漫画家としてデビューする前から考えていたことや、映画や漫画のヒット作から学び、研究してきたこと。自身の作品で行ってきた試行錯誤で、成功したことから失敗したことまで触れています。
とはいえ、本書の目的は漫画家人生を語ることではなく、ノウハウを伝えること。
「王道漫画の描き方」として重要な要素が端的にまとめられており、その裏付けとして、自身の考えやエピソードに触れています。
『ジョジョ』は王道漫画
第一部の連載が始まった当時、週刊少年ジャンプに連載されていたのは、『ドラゴンボール』、『キャプテン翼』、『キン肉マン』、『聖闘士星矢』、『北斗の拳』など、名だたる名作が揃っていました。
それら作品群の中で、『ジョジョ』は異色作品と見られていたようです。
しかし、荒木飛呂彦さんご自身は、連載当初から「『ジョジョ』は王道漫画だ」と自信を持って描き続けていたと話します。
その理由は、本書で紹介している漫画の「基本四大構造」にありました。
漫画の「基本四大構造」とは?
それは、次の4つを指します(番号は重要度を示す)。
1:キャラクター
2:ストーリー
3:世界観
4:テーマ
これまでにヒットした王道漫画が多くが、この「基本四大構造」を押さえており、『ジョジョ』も意図的に押さえていることが、先の発言に繋がっています。
「基本四大構造」は様々な創作物に応用できる
【引用:『荒木飛呂彦の漫画術』より】
この四つは、それぞれ独立して存在するのではなく、互いに深く影響を及ぼし合っています。そして、これらの要素を増補し、統括しているのが「絵」という最強のツールで、さらにセリフという「言葉」でそれを補う図式になります。
つまり、読者の目に見えているのは絵ですが、その奥には「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」がそれぞれにつながり合って存在しているのです。
漫画の場合が「基本四大構造」を「絵」で統括し、「言葉」で補っているのであれば、コンピューターゲームの場合は「基本四大構造」を「絵」と「ゲームルール」で統括し、「言葉」と「サウンド」で補っているといえます。
小説やシナリオの場合は、「基本四大構造」を「言葉」で統括することになるでしょう。
キャラクターを「商品」、ストーリーを「プロモーション」、世界観を「マーケティング」テーマを「コンセプト」に置き換えれば、企画立案にも応用できます。
「基本四大構造」は、様々な創作物で王道を目指すための基本といえます。
「基本四大構造」を掘り下げるなら
『荒木飛呂彦の漫画術』では、基本四大構造の「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」の解説に、全体の半分以上のページが割かれています。
それぞれの項目を掘り下げたい方は、ぜひ本書をご覧になって下さい。
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