【記事紹介】○っちゃってる!?恍惚を生み出す踊りのチカラ
「音楽」がテーマではないところから「音楽」を感じ取る試みの連載から
「ontomo」さん、楽しい試みがたくさんあって読み飽きないですね。時間の消費に注意!
今日は本の紹介の紹介ってことになりますが、この記事を読むだけでも相当に面白いです。どんなところにも「音楽」は存在している。まるでジョン・ケージのような話ですが。
とはいえ、これは結構音楽からは近い距離の話です。「踊り」が鍵となっているので。
踊り念仏を広めた僧侶・一遍の生涯を描いた評伝
一遍なる人物は鎌倉時代中期の僧侶。「踊り念仏」ってそもそも何?ってことで調べてみました。国の重要無形民俗文化財に指定されているそうです。
踊り念仏とは?
『一遍聖絵』によれば、弘安二年(一二七九)一遍上人の一行が善光寺への遊行の際で長野県・佐久地方で踊り念仏を行なう姿が描かれています。そこに法衣に身を包んだ僧侶や武士たちが輪になり念仏を唱えながら踊る姿が描かれます。これが一遍上人の一団が踊り念仏を行なった最初とされます。こうした踊り念仏は一説によれば、平安時代の中期の僧・空也上人によって始められた「空也念仏」がルーツであり、瓢箪や鉢を叩き、鉦を鳴らして念仏を唱えて踊ったのがはじめとされています。空也上人もまた、身分の高い人々にではなく市中において多くの人々に仏教を説いた僧侶であり、一遍上人は「空也は我が先達なり」とその功績を称えています。
「南無阿弥陀仏」を唱えながら輪になってみんなで踊るようです。盆踊りのルーツでもあるようで・・・昔のストリートダンスですね。
どうやら様式として本来の激しいものと、能に影響を受けた穏やかなものとの二種あるようですが(動画は後者)、探してもどれが本来のものかわからず・・・気になる。
こういうのかな?
一遍ってどんな人?
一遍上人は当時貴族のものだった仏教を一般の人にも広め、また「南無阿弥陀仏」と一心に唱えることによって極楽浄土へ行けますよと、わかりやすく伝えた方です。貧富の差別なく、踊り念仏によって人々を救う活動を行い続けた方。
動画内にありますが、踊り念仏は今で言うところのパーリーピーポー(笑)信者が踊りながら念仏唱えているうちにアゲアゲになって超気持ちいい~ってなってるわけです。トランス状態(笑)踊り念仏を広めた一遍上人はカリスマダンサーですかね(笑)
一遍上人の映画もあるようです。主演がウド鈴木さん!
後半踊っているシーンがありますが、こっちのが私の思ってたイメージに近いですね。タコ踊り(笑)
評伝はいわば一遍上人の現代的解釈
上述の通り、一遍上人と「踊り」は切っても切れない関係です。記事を読む限りでは、評伝は時衆を救う僧侶としての姿もさることながら、「踊る」ことによって恍惚・法悦を呼び込み「快楽」の世界へと誘導するある種の「教祖」としての存在も浮かび上がらせていることに興味を惹かれます。
あの美声はオレの声。あの風の音もオレの声。ああ、念仏ってこんなにきもちいいものなのか。もっといけるんじゃないか。もっとはやく、もっとたかく、もっとおおきく、何分でも、何時間でも、何日でも。(本文より)
一体どこのロックンローラーでしょうか(笑)読んでみたくなりました。歴史上の人物をこうした形で現代的に解釈し直すことの重要さを感じさせます。クラシック音楽の演奏にも同じことが言えるように。
恍惚の踊り「ボレロ」
記事中でも紹介されていますが、このボレロもかなりエクスタシーです。絶頂に達した瞬間死ぬんじゃないかと思わせるような踊り。
以上、踊りの力と現代的解釈の大切さについて考えてみました!