歩行(立脚初期)における足部機能と「下腿内旋・プロネーション誘導」の運動療法!
今回は、歩行の中でも立脚初期〜中期にフォーカスして足部機能との関係性とエクササイズについて解説していくコラムにさせて頂きます。
立脚初期〜中期に起きて欲しい足部の動きやその上方にある関節の動きによっても足部への影響が変わってきます。そのため、足部の機能改善においても足部にフォーカスしただけでは足部の機能改善になっていないことも多いため全身からの影響も考慮したアプローチが必要になってきます。
そういった全身からの影響も考えた歩行に繋げるための足関節に対するアプローチをご紹介していきます。
立脚初期における足部
立脚初期ではIC〜LRまでを示していることが多いですが、立脚初期の足部の動きではICにおいて踵接地が行われて、そこから足底接地をするまでは足関節が底屈する動きが生じます。
これは下腿三頭筋が働いて足関節底屈運動をしているわけではなく、重力に拮抗する形として前脛骨筋がエキセントリックに収縮することによって踵接地から足底接地にかけて衝撃吸収やクッション作用として働いています。
そのため、前脛骨筋が機能する状態になければ下垂足の様な状態になったり、遊脚から立脚に移行する際に足先を床に擦りやすい様な状況になります。
矢状面上の動きとしては、足関節背屈筋群が足関節底屈運動をコントロールしながら接地する状態になりますが水平面上の動きに関しては距骨下関節やショパール関節の動きによって、プロネーション(回内)の運動が生じます。
一般の方で多いですが、足底アーチは持ち上がっていた方がいいと思われている方が多いですが、実際に立脚初期にアーチが適切に落ちない状態であれば立脚初期の足部の役割でもある衝撃吸収の作用が行えない状態になり、関節へのストレスも増えてしまいます。
このプロネーションが適切に行えることで、足裏のアーチが適切に下がって立脚初期を行えます。そのため、足裏のアーチが下がることは悪いことではなく正常歩行においてはむしろ引き出したい機能になってきます。
その動きに続いて生じる下腿の動きが下腿内旋になります。
足部が水平面上の動きとしてプロネーションが生じると、下腿は内旋方向に可動しやすくなります。下腿内旋が生じるのは立脚初期まであって立脚中期〜立脚後期につれて足部はスピネーション(回外)の動きを伴いつつ下腿は外旋する状態になります。
そのため、立脚初期では下腿の内旋制限が起きている状態でれば、足部の機能障害にも繋がるし膝関節にも回旋ストレスが生じる状態になるため膝関節の不調にも生じる可能性が高くなります。
ここまでを簡単にまとめるとすると、立脚初期では矢状面上の動きとしては踵接地から足底接地にかけて足関節は底屈方向に可動する状態になるが、それは足関節背屈筋群がエキセントリックに働くことによって衝撃吸収を行い、踵接地から足底接地をしていく過程の中で下腿は前傾と内旋が伴いながら前方に重心移動と足部のプロネーションが生じて立脚初期が行われます。
立脚初期の足部機能における問題
ここからが本当に伝えたいことになりますが、足部機能としては立脚初期には下腿が内旋して足部がプロネーションして衝撃吸収する形になりますが、その足部機能が働くためには足部より上の関節のポジションが肝心になってきます。
足部がプロネーションして、下腿が内旋する際には大腿骨や骨盤にも同じように内旋方向への可動であったり、骨盤でいえば前方回旋する状態になってきますがこのバランスが悪くなると足部のプロネーションや下腿内旋の意味合いが変わってきてしまいます。
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