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Photo by
takumisuzuki
【詩】大都会・滔狂が喚ぶ
バスに乗り
バスに乗り
飛行機に乗る
またここまで来てしまった 東京
また喚ばれてしまった 東京
抗い得ない 磁力
山々を越えれば
歪に素敵な直方体群
歪に輝く直方体群
権威を放つ それら
その光のもとにどれだけの陰が在るだろう
鉄塊が此処でも駆ける 駆けさせられている
在る路を 明確な路を 群を成して
此処は「自分」が曝け出せる場所 自由な場所
そんな自称リバタリアンのリベラリストの魔境
総てが悍ましく規定されている監獄
肉詰めの直方体 加速 停止 加速 停止
上下する肉塊 縦横する肉塊
右往左往する肉塊 流れる肉塊 否肉弾
宛ら弾倉に込められる銃弾
装填し 放たれる 何処へ?
会社か 社会か 国か 世界か はたまた宇宙か
己を擦り減らしている 他人を擦り減らしている
此の国の何処よりも
私は嫌いだ、此の東京が
総てが五月蝿い 総てが騒がしい
直ぐ其処の 暗く細い路地裏
今にも消えそうな か細い声が
聞こえないではないか
聞こうともしないではないか
言語と言語の舞踏
雄と雌の舞踏
善と悪の舞踏
生と死の舞踏
滔々と 狂っている
滔々と 狂っている
耳を劈く電子音
鼓膜を破る機械音
水晶体を溶かす怪光
鼻を腐敗させる悪臭
死んでいく 細胞が
嗚呼歪んでいる壊れている
調和を着飾る不調和よ
それでもこの残虐な光に身を灼くために
此処に誘われるのだ
我のある 所詮、虫
そして墜ちていくのだ 堕ちていくのだ
何処までも何処までも何処までも