キャラクター語り:オメット【小説:Tristan le Roux/赤髪のトリスタン】
アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の未邦訳小説「Tristan le Roux/赤髪のトリスタン」を底本にしています。
総合目次:
神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー(Tristan le Roux/赤髪のトリスタン)
訳者あとがき:キャラクター語り
翻訳者だって「ひとりの読者」としてネタバレ感想書きたい!
そんな主旨で、好き勝手に語ります。
ここからは、各章の「登場人物紹介」ページの順番にならって、私が思ったことを書いていきます。
オメット
オルレアンの会計士ジャック・ブーシェの娘。
ジャンヌの宿泊先に選ばれたことをきっかけに、親交を深める。
ジャンヌが唯一、同年代の少女らしく振る舞うことができる相手。
貞淑で清らかな乙女。エティエンヌに恋をしている。
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オメットについて:ネタバレあり
ジャンヌと女子会しているエピソードが可愛くてお気に入りです。
マリー・ダンジュー&アニエス・ソレルに続く良質な百合カプ……、シスターフッド的な二人組が好きなのかも。
高貴な人たちの美しさも、庶民の女の子たちの可愛らしさも、主従たちの規律や忠誠心も(←誰のこと?w)それぞれいい。
*
オメットのイメージイラストは「素朴で可愛らしいモブ顔の少女」を目指しました。地味だけどよく見ると可愛い感じ。
最終章、火刑直前のジャンヌに会いに来た場面……。
頭に何も覆っていない、風に吹かれるまま髪がなびいている——ジャンヌ以上に儚い雰囲気を漂わせたオメットが印象に残っています。
逆説的に、オルレアンにいたときのオメットは、結い上げた髪を頭巾で隠しているマジメ一辺倒な女の子だったのではないかと。
普段、髪をまとめている人が、クライマックスで髪を下ろしてなびかせている姿はビジュアル的にも映えますね。
あと、ジャンヌの遺灰が、水辺で横たわるオメットの亡骸を包んでいる場面も。
どうして死んでしまったのか、理屈はさておき。
オメットも、エティエンヌやジャンヌと同じく「市井の殉教者」のひとりだったのでしょう。彼らの死は、見るものの心を浄化するような悲しさがあります。
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小説後半について
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【URL:神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー】
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