キャラクター語り:オリヴィエ【小説:Tristan le Roux/赤髪のトリスタン】
アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の未邦訳小説「Tristan le Roux/赤髪のトリスタン」を底本にしています。
総合目次:
神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー(Tristan le Roux/赤髪のトリスタン)
訳者あとがき:キャラクター語り
翻訳者だって「ひとりの読者」としてネタバレ感想書きたい!
そんな主旨で、好き勝手に語ります。
ここからは、各章の「登場人物紹介」ページの順番にならって、私が思ったことを書いていきます。
オリヴィエ・ド・カルナック(24歳)
若く美しいカルナック伯爵。
女性のような優雅さと優しさと気品を兼ね備えている貴公子で、長い栗毛の髪に、額に金色のブロンドを一房垂らし、魅力的な甘い顔立ちをしている。
飛びかかる狼を、鉄の弓で射殺す。
【※小説投稿サイト・アルファポリスでも公開中:神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー】
オリヴィエについて:ネタバレあり
最初は、典型的な貴公子ぶりにそれほど魅力を感じませんでしたが、トリスタンが悪行を重ねるにつれて、オリヴィエのぶれない善人さが際立つように。
作中で、もっともトリスタンを愛していた人物だと思います。
前のページで「どうしたら、トリスタンは幸せになれたか」と書きました。
もし、トリスタンがオリヴィエとの友情(本能的な兄弟愛)を素直に受け入れていたら、二人の関係はだいぶ違ったかもしれない。
それから、伯爵夫人が過去の秘密をオリヴィエにも打ち明けていたら。
ショックを受けたとしても、オリヴィエは母の素行を疑って憎むタイプではなく、伯爵夫人とトリスタンの運命に同情しながら「ありのまま」を受け入れたのではないかな……。
トリスタンが「アリスへの恋心」をオリヴィエに打ち明けていたら、どんな反応を見せたでしょう。
アリスの本心が不明、つまりトリスタンにも可能性が微レ存だった場合、「正々堂々と決闘で勝負をつけよう」となり、カルナック城で一騎打ちする展開もあり得たかもしれない。これはこれで、伯爵夫人が卒倒しそうですが。
涙がじんわりするような切ないエンディングのせいか、つい王道ハッピーエンドを夢見てしまいます。
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小説後半について
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【URL:神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー】
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