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子どもの才能を見極める秘訣【テスト付き】

いきなりですが問題です !!

子どもの才能を見極められるかどうか、まずはチェックしてみましょう。

科学的根拠もあとで解説します。

キャサリンは私立幼稚園にいる5歳の女の子。
父親は会社経営者。母親は専業主婦。
両親は教育熱心でお金も時間も惜しみません。

次のうちどれかがキャサリンの個性を的確に表しているとします。
(A)明るくておしゃべり
(B)読み書きできないが行儀がいい
(C)人見知りだけど優しい
(D)まだ読み書きはできない

これらを可能性が高いものから順番に並び変えた選択肢はどれでしょう。
①(A)>(B)>(C)>(D)
②(A)>(D)>(C)>(B)
③(C)>(B)>(A)>(D)
④(C)>(A)>(B)>(D)

①〜④のうち、ひとつだけ選んでください。

回答が決まったらスクロール !
↓↓↓↓↓↓





正解は②です。

驚いた人も多いのでは?

それもそのはず、人間の脳は他の選択肢を選びやすいようにできています。

その理由について詳しく解説します。


問題の解説

まず前提として、選択肢の(A)(C)はフェイクです。(B)と(D)にだけに注目してみてみましょう。

  • (B)読み書きできないが行儀がいい

  • (D)まだ読み書きはできない

言い換えるなら、

  • (B)読み書きできない+行儀がいい

  • (D)読み書きできない

この時点で気付いた人も多いのでは?

数学的に考えると(E)が(B)よりも可能性が高いことがわかりますよね。この条件を満たす選択肢は②しかないんです。


間違えるのが普通

ほとんどの人は問題文から「行儀がいい」というイメージに引っ張られて(B)である可能性を過大評価してしまったはず。

というのも、私立幼稚園・女の子・裕福な家庭・教育熱心な保護者、といった情報から「きっと行儀がいい子に違いない!」というバイアスがかかりやすいからです。

しかし「行儀がいいかどうか」を客観的に判断できる要素はありません。

このように、典型的なイメージを過大評価してしまう現象を合接の誤謬(Conjunction Fallacy)と言います(Tversky & Kahneman, 1983)。


リンダ問題

さっきの問題はリンダ問題(Linda Problem)を応用したもの。考案されてからおよそ40年以上が経ちますが、今でも話題にあがるほど有名な問題です(e.g., Dujmović et al., 2021; Lu, 2016; Olszewski, 2019)。

リンダ問題の簡易版にも挑戦してみましょう!

リンダは31才の独身女性。
明るくてはっきりと物事を言う性格。
大学では哲学を専攻。
学生時代は差別と社会正義に関心があって、
反核デモにも参加していました。

次のうちどちらがリンダに当てはまる可能性が高いでしょう?
(A)銀行員
(B)銀行員でフェミニスト

正解はもちろん(A)です。

冷静に考えれば間違えません。

しかしこれが難しい !

ブリティッシュコロンビア大学の大学生142人にこの問題を投げかけたところ、なんと85%が(B)を選択(Tversky & Kahneman, 1983)。

合計346人(スタンフォード大学とブリティッシュコロンビア大学の大学生と大学院生)を対象にした調査でも、85%〜90%が(A)よりも(B)の方が可能性が高いと回答したそうです(Tversky & Kahneman, 1983)。

つまり正答率は、世界的名門大学でもたったの10%〜15%だったんです!


最後に

私たちの脳は事実よりも典型的なイメージを過大評価するようにできています。これはいわゆる経験則のようなもので仕方のないことなのかも。

だけど子どもの個性そして才能を見極めたいと考えるなら注意が必要です。具体的には、紙に書き出してみたり、友人に相談してみたり。自分の考えを客観視することで矛盾に気付けるはず。

ちょっと工夫してみるだけで新しい発見があるかもしれません。

この記事が少しでも役に立ったら嬉しいです!

ではまたっ

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